日本学術会議の梶田会長「リストを事前に提示して首相官邸と協議する対応を今後は取らない」と独立宣言!民営化してお好きな政治活動でもしてください。
新型コロナの感染拡大への対応。日英EPAの国会審議。種苗法改正の審議。このほかにもやることは山積みの国会だが、野党の関心は相変わらず「日本学術会議」だ。
特に、新型コロナは国難と言ってもいい。その国難の真っただ中において、日本学術会議で国会の貴重な時間を大幅に費やすことなど愚の骨頂だ。
立憲民主党の枝野代表も、メディア向けには政府のコロナ対応を批判して、国会審議を通じて対応するというような趣旨の発言をしているが、国会では相変わらず日本学術会議の援護射撃を続けているのが現状だ。
では、日本学術会議側はどうなのかと思えば、12日に梶田会長が、今後は日本学術会議で会員候補は勝手に決めるとも受け取れるような、とんでもない発言をした。
日本学術会議の梶田会長、事前調整を拒否!いつから国家公務員の採用権を掌握したんですか??
改めて言うまでもないが、日本学術会議は政府の組織であり、その会員は非常勤の特別職国家公務員だ。それを念頭に、梶田会長の発言を見ていただきたい。
日本学術会議の梶田隆章会長ら幹部が12日、記者会見を開き、定員を超える会員候補者リストを事前に提示して首相官邸と協議する対応を、今後は取らない考えを明らかにした。つまり、学術会議側だけで、国家公務員となる会員候補を決めると宣言したものと受け取れる。「民営化」「廃止」を含む、学術会議の組織改革論議にも影響しそうだ。
結論から言えば、それをしたかったら「民営化」すればいい。いくら独立性を謳ったとしても、日本学術会議は、内閣府の所管だ。
梶田会長の主張は、日本学術会議が作成した会員推薦名簿を、「そのまま任命しろ」と言っているのに等しい。
梶田会長の主張を、そのまま受け入れた場合、日本学術会議の更なる「政治活動団体」化が進むことは間違いない。
評論家の八幡和郎氏「もはや廃止するしかない」
今回の聞き捨てならない梶田会長の発言。国家公務員の任命を独断でやろうとする梶田会長の姿勢には、聡明な学者として、多くの功績を残してきた学者としての梶田氏をみることは出来ない。
梶田会長の発言について、評論家の八幡和郎氏は以下のように語っている。
今回の学術会議側の主張について、評論家の八幡和郎氏は「新会員の人選は学術会議が自由に決めて、官邸側にのませようという意図だろう」といい、こう続けた。
「政府側は、会員が国家公務員である以上、学術会議側が強硬にくるなら、任命をしなければいいだけの話だ。そもそも、学術会議は現実的にみても、機能しているとはいえない。一連の動きをみて、組織改革を望む世論の声は強まっている。組織改革をめぐる政府側との交渉で、学術会議側は選択肢の幅を狭めたのではないか。もはや廃止するしかない」
全く同感だ。あくまでも任命権は内閣総理大臣にあるのだから、日本学術会議がこれ以上、おかしなことをすれば任命しなければいいだけだ。
無用の長物、日本学術会議に、野党はいつまで時間を費やすつもりなのか。本来、国民の声を国会で代弁するのが国会議員の務めだ。しかし、野党が国会議員としての務めを果たさない中、とある学者が国民の声を代弁してくれた。
東京外国語大の篠田英朗教授は「日本学術会議の問題は今国会の重要案件ではない。政権の支持率低下を狙う党派的な事情で時間を使うこと自体がむなしい」と発言している。(参考)
まさにその通りだ。そして、ほとんどの国民も同じ気持ちだ。新型コロナという国難の打開、そして、今後の日本の発展を議論する場が国会だ。いち組織の人事の話で、他の論じるべき議論を棚上げされることほど、国民にとって不幸なことはない。