国連人権理事会に対し、政府は刑事司法制度の正当性を訴えゴーン問題で大反論。しかし逃亡時にはあれだけ騒いだ野党がダンマリ!政府批判に繋がらないことには興味がない様子!
国連人権理事会の「恣意(しい)的拘禁に関する作業部会」は、中東レバノンに逃亡中の日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の日本での勾留について、「不当だ」などとする意見書を公表した。
もちろん、これに対し、政府は「わが国の刑事司法制度に則ったものだ」と、抗議した。
国連人権理事会の意見書は、我国の司法制度に対しての挑戦であり、この意見書に対しては与党も野党も関係ない。断固戦うべきだ。
しかし、だ。ゴーン氏逃亡時には、立憲民主党の枝野代表や共産党の志位委員長などが「政府の責任」と大騒ぎしたのにも関わらず、今回は大変大人しい。政府批判につながらないことは完全に無視するつもりのようだ。
国連人権理事会がゴーン氏の主張ばかりを取り上げ、ゴーン被告の拘留は「不当だ」と批判
国連人権理事会の「恣意(しい)的拘禁に関する作業部会」は、ゴーン被告の一方的な主張のみを取り上げ、日本の対応を「不当だ」と公表した。
国連人権理事会の専門家グループ「恣意的拘禁作業部会」は、ゴーン元会長について、今月20日付けの意見書をウェブサイトで公表しました。
この中で、ゴーン元会長が日本で4回にわたって逮捕され、勾留が繰り返し延長されたことについて「ゴーン氏を勾留し続けられるよう、勾留期限を回避する意図があった」などと指摘しました。
そして「公判前の勾留は例外的なもので、できるだけ短期間にするべきだ。勾留が繰り返されたことは国際法のもとで根拠がなく、違法な訴訟手続きの乱用だった」などとしたうえで、ゴーン元会長の勾留は「恣意的な拘禁」にあたると結論づけています。
作業部会は日本政府に対して、速やかな救済策や、独立した調査の実施を求めていますが、意見書に法的な拘束力はありません。
また、朝日新聞では『「適切な救済策」として、日本政府はゴーン氏に賠償すべきだとしている。』と報じられている。(参考)
これは、国連人権理事会がゴーン側の主張のみを鵜呑みにした偏った意見書で、日本の刑事司法制度を見ようともしていない、不公平なものだ。
我国は当然反論、川上法相「明らかな事実誤認」外務省「『恣意的拘禁』にはあたらない」
これに対し、上川法務大臣は、「明らかな事実誤認」と反論。
上川法務大臣は、閣議のあとの記者会見で「わが国の刑事司法制度を理解せず、ゴーン被告側の一方的な主張のみに依拠した、明らかな事実誤認に基づく意見書が公表されたことは極めて遺憾であり、到底受け入れることができない」と述べました。
我国では一つの事件において、逮捕後、起訴・不起訴の判断までの身柄拘束期間は、最長でも23日間に制限されている。ただし、裁判所(裁判官)が証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合等に限って、被疑者の勾留やその延長が認められている。(参考)
まさにゴーン被告がそうではないか。実際に国外逃亡をしているのが何よりの証拠だ。保釈すべきではなかったのだ。
外務省も「『恣意的拘禁』にはあたらない」と反論している。
外務省はコメントを発表し「ゴーン被告に対する刑事手続きについては、法に定められた適正手続きを厳格に履行し、ゴーン被告の権利を十分に保障しつつ進められてきたものであり、『恣意的拘禁』にはあたらない」と反論したうえで「国連人権委員会の作業部会が、ゴーン被告側からの一方的で限られた情報に基づき今回の結論に至ったことは、わが国の刑事司法制度にかかる正確な理解に基づいたものではなく大変遺憾だ」としています。
そして、今月20日付けで国連の作業部会に対し、異議の申し立てを行ったとしています。
まさに、我国の刑事司法制度が、国連によって否定される事態となった。川上法相も「政府として異議申し立てを行ったところであり、今後も可能な範囲で情報提供を行い、事実誤認をただしていきたい」と言っているように、外務省にはしっかりと国連に訴えかけ、日本の主張も理解してもらうよう、動いていただきたい。
ゴーン氏逃亡時にはあれだけ騒いでいたのに、今はダンマリの野党。政府批判と学術会議にしか関心がないの?
ゴーン氏逃亡を巡り、立憲民主党の枝野代表は「わが国の法秩序に対する挑戦だ」と厳しく批判したうえで、政府に対して速やかに経緯を説明するよう求めていた。(参考)
共産党の志位委員長は「あれだけの重大犯罪の被告を保釈し、甘い対応をした。こういうことが曖昧なまま許されてしまったら法治国家の体をなさなくなる。検察、法務省、政府の責任はたいへん重い」と政府の責任に言及していた。(参考)
しかし、保釈を認めたのは政府ではない。あくまでも裁判所の判断だ。しかし、枝野氏も志位氏も裁判所の責任については言及していない。政府の責任を追及できるならば、多少筋道をかえても構わないという姿勢がよくわかる。
いずれにしても、ゴーン被告逃亡時には騒いでおきながら、政府批判につなげられないとダンマリというのは、子供が興味のないものには関心を示さないのと同じように、非常に解りやすい。
政府批判につながらないことには、関心を示さない野党。そんな野党は国会には不要だ。