2005年の矢野財務次官「待ったなしの日本財政危機」 → 2021年の矢野次官「このままでは国家財政は破綻する」→16年以上が経過しても待ったなしなの???そして矢野次官の意見をたしなめた岸田総理と高市政調会長!!
矢野財務次官が組織のガバナンスから逸脱していると思えてしまう行動に出た。月刊文芸春秋に総裁選での政策論争や岸田総理の経済対策に否定的な内容の論文を寄せたのだ。
しかし、だ。矢野次官は2005年に「待ったなしの日本財政危機」と言う本を出版しているのだが、それ以上に財政赤字が膨らんだ今も財政破綻していない。少なくとも16年間は待ったなしではないだろう。
そして、だ。岸田総理と高市政調会長は、この矢野次官の意見を否定したのである。ぜひ財務省の抵抗を排除し、国民を救う大補正予算を実行していただきたいものだ。
2005年の矢野財務次官「待ったなしの日本財政危機!」 → 2021年の矢野次官「このままでは国家財政は破綻する!」→16年以上が経過しても待ったなしなの???
矢野財務次官は10月8日の文芸春秋で、衆院選や総裁選の政策論争を「ばらまき合戦のようだ」と批判した。
財務省の矢野康治事務次官が8日発売の月刊誌「文芸春秋」11月号に寄稿し、衆院選や自民党総裁選に絡む政策論争を「ばらまき合戦のようだ」と批判し、財政再建は喫緊の課題だと訴えた。現職の次官による意見表明は異例。
岸田文雄首相が策定を指示した経済対策についても「コストや弊害も含めて、よく吟味する必要がある」とした。
(中略)
矢野氏は寄稿で「(日本は)先進国でずばぬけて大きな借金を抱えている」とした。
麻生財務大臣の了解を得て発表したと言うが、公然と官僚が政治家や総理の政策方針を否定したり、批判することは組織のガバナンスから見て問題ではないのか???
業務のルールを変えさせるのに事務次官が上司に直言するのではなく雑誌に寄稿したと言うのも疑問だ。もしもこうした行為が容認されて繰り返されれば、政治家が官僚を抑えられなくなりかねないのではないか???
我国の財政よりも、官僚組織のガバナンスが破綻する方が心配になってしまう。
また、岸田文雄首相が策定を指示した経済対策についても「コストや弊害も含めて、よく吟味する必要がある」とするが、コロナ禍で瀕死の我国の経済は、そんなことを言っている場合ではない。
そもそも、だ。
矢野次官は2016年に「決断!待ったなしの日本財政危機―平成の子どもたちの未来のために」と言う本を出しているが、未だに「待ったなし」からは程遠いように思える。実際に財政破綻もしていない。
矢野次官を批判した岸田総理と高市政調会長!!
そして、だ。
この矢野次官の論文に対し、岸田総理と高市政調会長が動いた。
岸田総理は「いろんな議論はあっていいが、いったん方向が決まったら関係者はしっかりと協力してもらわなければならない」とクギを刺し、高市政調会長は「失礼」「デフォルト起こらない」と批判した。
頼もしい姿勢だ。
ここは危機時なのだから、岸田総理は財務省の財政論にとらわれず、国民の所得倍増を実現する予算を断行していただきたいものだ。
もちろん単純な人気取りのバラマキは正直言って宜しくない。
しかし、コロナ禍での国民のダメージは大きく、今回のような政策はバラマキとは違うと考える。
一方日本の赤字が増え続けているのは、事実であり、これが解消されることも必要である。
ではなぜ破綻しないのかも正確に理解する必要がある。
その理由の一つのポイントが会社で言うところの決算書にあると思う。
理由は大きく言うと二つあると言われている。一つは国債の買い手だ。日本政府は国債を発行しているが、多くは国民自身が買っている。これが大きな理由の一つだ。国民自体が資産も持っているので、この国債の赤字は事実上解消されると言う考え方だ。二つ目は国資産だ。財務省は明確にしていないが、実は日本政府は膨大な資産を持っている。この資産を試算すると、その分の赤字が事実上解消すると言うことだ。つまり、借金はあるが、実は資産もあるのでその分の借金は事実上なくなると言うことだ。
この大きな二つの理由が、政府は会社ではないので、決算書もないのでわかりにくい状況である。
岸田政権には、こうしたことを明らかにしていただき、事実上の国の借金を確定させ、正確に国民に共有いただき、それを元に政策等を説明、実施いただきたい。
そうすることで官僚のもっともらしい、意見に惑わされることなく、国民も政権の政策を支持できるからである。
今回のこの財務次官の発言を良い契機にするべきだ。