立憲民主党の執行役員人事、女性比率18.6%で「男性6人、女性6人」これってジェンダー平等?
東京新聞が、立憲民主党の新たな人事に対して「ジェンダー平等へ、立憲民主党の執行役員は半数が女性 泉氏の公約実現」と報じた。
立憲民主党は党の役員人事12人のうち女性を6人起用し、泉代表も「執行役員会は12人で構成する。両院議員総会で(泉氏らを含む)男性6人女性6人の執行役員を発表する」と述べていた。(参考)
立憲民主党は6日の両院議員総会で、党の執行役員12人のうち6人を女性とする新たな人事を決定した。泉健太代表が11月の代表選で訴えた「執行役員の半数を女性にする」との公約を達成。立民が綱領に掲げ、代表選の4候補もそろって主張したジェンダー平等実現に向け、第一歩を踏み出した。今後は国政選挙の候補者の女性比率を高めることが課題となる。
執行役員は党務の重要事項を議論するメンバー。幹事長には、代表選で泉氏に敗れた西村智奈美氏が既に就いている。6日の人事では常任幹事会議長に牧山弘恵、組織委員長に吉川沙織、企業・団体交流委員長に小宮山泰子、つながる本部長代理に田名部匡代、ジェンダー平等推進本部長代行に岡本章子の各氏が就任することが決まった。
「つながる本部」は生活現場の声を政治に反映する党内組織で、本部長は泉氏。ジェンダー平等推進本部長は徳永エリ参院議員が務めるが、参院環境委員長も兼務しており、執行役員には代行の岡本氏が入った。
西村氏は6日の両院議員総会で「立民が、男性も女性も力を合わせてやっていける社会を目指していくことを、こういう形で現せてうれしい」と語った。
立民はジェンダー平等確立を掲げるが、衆院選前は執行役員11人のうち女性は2人しかおらず、衆院選の女性候補の割合は2割弱にとどまっていた。泉氏は女性登用や女性議員増加に積極姿勢を示しており、来年の参院選や次期衆院選では女性候補の増加に向けたさらなる取り組みが問われることになる。
女性を多く登用したことはいいことだが、最初から「男性6人女性6人」と決めていたことに無理矢理感を感じる。立憲民主党の国会議員に対する女性比率は18.6%(参考)だ。この状況から女性6人と決めてかかるのは男女不平等ではないだろうか。
ジェンダー平等確立を訴える人たちは「欧州では~」と海外を引き合いに出しているが、内閣府男女共同参画局推進課は次のようなデータを出している。
日本の政治分野への女性の参画状況は国際的に見ても遅れており、例えば、衆議院議員に占める女性の割合は約10%で、世界193か国中164位となっています。
一方、イギリス・フランスは、1980年代までは女性議員比率に日本とほとんど差はありませんでしたが、現在の女性議員比率はイギリス約32%、フランスは約40%となっており、様々な取組の結果、政治への女性参画が拡大しています。
https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2019/201906/201906_04.html
欧州で要職に就く女性政治家が多いのは、女性政治家そのものの数が多いからだ。だから男女平等を実現できるのだ。
因みに、衆院選での候補者を見てみると立憲民主党は候補者240人のうち女性候補者が44人の18.3%(参考)だ。立憲民主党も東京新聞もジェンダー平等を真に訴えるのならば、この数字に注目すべきではないか。
ジェンダー平等を強く訴えている福島瑞穂氏と社民党は候補者15人のうち9人の女性候補を擁立した。(参考)
ジェンダー平等を実現します。社民党は候補者の6割が女性です。 pic.twitter.com/Nr4PBj8ngQ
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) October 30, 2021
これが本当のジェンダー平等を推進する動きではないだろうか。
その結果、誰を選ぶかは有権者が決めることだ。
立憲民主党は女性役員を多く起用し多くの女性候補者誕生を促す狙いのようだが、世の中を見渡しても最近では女性を優遇することが男女平等だと錯覚しているのではないだろうかと思うことが多い。
立憲民主党が次期参院選でどれだけの女性候補者を擁立するか見ものだ。