岸田総理、台湾のTPP参加を「歓迎している」 一方で中国には慎重な姿勢




岸田総理がTPP参加を目指す台湾を「歓迎している」と述べた。

 岸田文雄首相は10日の参院本会議の代表質問で、台湾が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への加入を目指していることについて「歓迎している」と述べた。日本維新の会の浅田均氏への答弁。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e0cdf4e02935c4b1c5f14d01961d5b588cf98a78

岸田総理は台湾のTPP参加を歓迎する一方で、中国のTPP参加には慎重な姿勢を見せた。

 首相は「我が国にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係を有する極めて重要なパートナーである台湾は(TPPへの)加入申請に向けてさまざまな取り組みを公にしている」と評価。一方、中国の加入については「貿易、観光に関してさまざまな意見があり、TPPの高いレベルを完全に満たす用意ができているのか、まずはしっかりと見極める必要がある」と慎重な考えを強調した。

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現状でも中国がTPPに参加できる水準ではないことは多くの人が知っている。

そして、もともと対中包囲網だったTPP。

もともと、TPPの目的は米国を中心にした中国包囲網の形成にあった。時系列で米国の対中姿勢を確認すると、2013年に米オバマ政権(当時)の国家安全保障担当大統領補佐官だったスーザン・ライス氏が米中の“新しい大国関係”を機能させる考えを表明した。それが中国に南シナ海での軍事拠点の建設など対外進出を強化する口実を与えたと考える安全保障などの専門家は多い。その後、フィリピンやベトナムなどが領有権をめぐって中国と対立し始めた。

中国の対外進出に直面したオバマ政権は、対中包囲網の整備に動いた。その象徴がTPPだ。オバマ政権はTPP交渉をより重視し、関税の撤廃、知的財産の保護、国有企業に関する補助金政策などに関して加盟国間でルールを統一し、より効率的、かつ公正な経済面での多国間連携を目指した。政府調達に関する内外企業の差別を原則認めないこともTPPに含められた。

https://president.jp/articles/-/50292?page=1

ただ、参加国の中では中国のTPP参加を歓迎している国もあり、そういった国が台湾の参加を拒絶する可能性もある。また、中国を拒絶したら、最悪の場合はTPP内で分裂の恐れもある。

とはいえ、中国の参加を許せば元々の目的と違う協定となってしまう。岸田総理が慎重な姿勢を見せるのもそういった背景があるからだろう。







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