日本政府、北京五輪の政府高官派遣を見送る方向で調整
北京五輪の外交ボイコットが広がりを見せる中、岸田政権も難しい対応が求められている。
そんな中、読売新聞が政府が北京五輪に政府高官の派遣を見送る方針で調整に入ったと報じた。
政府は、来年2月からの北京冬季五輪・パラリンピックに閣僚など政府高官の派遣を見送る方向で調整に入った。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長らの出席にとどめ、すでに「外交的ボイコット」を表明している米国などと足並みをそろえたい考えだ。年内にも正式決定する。
これまで政府は先進7か国(G7)とともに、中国の新疆ウイグル自治区や香港などの人権問題に懸念を示してきた。岸田首相は人権重視の姿勢を鮮明にしており、政府内では中国の人権状況が改善しない中で、政府高官の派遣は困難との見方が強まっていた。選手団は予定通り派遣する。
首相は早期に訪米し、バイデン大統領と対面で会談したい意向を表明しており、米側と日程を調整中だ。会談では、北京五輪への日本の対応方針を伝える可能性がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ac89a4469ba62dff6af4885dee54750afd350f36
政府高官の派遣を見送り、橋本聖子会長らの出席にとどめるとあるが、「実質外交ボイコット」と見ていいだろう。他にもスポーツ庁の室伏広治長官や日本オリンピック委員会の山下泰裕会長を派遣する案が浮上していると報じられていた。(参考)
各政党は外交ボイコットについてどのような見解を示しているのか?
自民党の高市早苗政調会長は8日、「賛同する。しっかりとした姿勢を日本としていち早く打ち出していくべきだ」と政府に外交的ボイコットに加わるよう求めた。自民では保守系グループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表・青山繁晴参院議員)も7日、外交的ボイコットを政府に要請した。保守系議員の間でこうした声は根強い。
ただ、高市氏を除く自民執行部はあいまいな発言が目立つ。茂木敏充幹事長は7日の記者会見で「コメントは控える。五輪が平和の祭典として開催されることを期待している」と述べた。福田達夫総務会長は10日の記者会見で「外交は表もあれば裏もある。言うべきことは言いつつ、冷静に政府の判断を待つべきだ」と語った。
公明党も踏み込んだ発信を控えており、山口那津男代表は7日の記者会見で「政府が判断すべきことだ。われわれから予断を与えるようなことは控える」と慎重に言葉を選んだ。
これに対し、明確な立場を表明したのは日本維新の会と国民民主党だ。維新の馬場伸幸共同代表は9日の記者会見で「多くの日本人が(中国の)人権蹂躙(じゅうりん)と侵害に腹立たしい思いを持っている。日本も外交的ボイコットをすべきだ」と主張した。
国民民主の玉木雄一郎代表は9日に衆院で行った代表質問で「中国の人権問題を黙認するという誤ったメッセージを国際社会に発しないためにも、外交的ボイコットを検討すべきだ」と岸田文雄首相に迫った。
立憲民主党の泉健太代表は10日の記者会見で「政府の外交団が行かないということは十分あり得る話だ。そうした姿勢で検討してほしい」と述べ、賛同する考えをにじませた。一方、共産党の田村智子政策委員長は10日の記者会見で「外交にかかわることであり、軽々にこの場でものを言うのは控えたい」と言及を避けた。
https://www.sankei.com/article/20211210-P47SFTE53JJW5DOZOEO5N2JTH4/
今回の報道が本当ならば、「政府高官派遣無し、橋本会長などを派遣する」というところが落としどころと政府は判断したのだろう。