米政府が相次ぐミサイル発射で対北朝鮮国連制裁の強化を提案
極超音速ミサイルの発射実験を行った北朝鮮。金正恩総書記はこの実験を成功と誇っていたが、その一方で米国が北朝鮮に対する国連制裁の強化を提案した。
北朝鮮による相次ぐミサイルの発射を受け、米国が対北朝鮮国連制裁の強化を提案したことが12日、分かった。
米外交筋が明らかにした。米政府が同日発表した北朝鮮籍の男5人を制裁対象に追加するよう求めた。
制裁強化に関して、トーマスグリーンフィールド米国連大使は12日、ツイッターに「北朝鮮が2021年9月以降、国連安保理決議違反となる弾道ミサイルを6回発射したことを踏まえた」と投稿。外交筋は「追加の制裁提案に向け、調整を続ける」と述べた。米国による制裁強化の提案は20年以来となるという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/addf53ce493abb7133a33b3e0f232604d07c8b97
米政府は同時に北朝鮮の兵器開発に関与したとして、7個人1企業を制裁対象に指定した。
米政府は12日、北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発などに関与したとして、北朝鮮籍の6個人とロシアの1個人1企業を制裁対象に指定したと発表した。ブリンケン米国務長官は声明で「世界の核不拡散体制を弱体化させる北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイルの計画に対処するため、あらゆる適切な手段を行使する」と強調した。
いくら制裁を科しても北朝鮮が兵器開発をやめないのは中ロが背後にいるからだ。
5日のミサイル発射に対しても国連安保理で緊急会合を行ったのだが、中国とロシアが対北朝鮮制裁に反対の立場をとったため、共同声明を出すことができなかった。
国連安保理は10日、北朝鮮が「極超音速ミサイル」と主張するミサイルを5日に発射したことを受け、非公開の緊急会合を開いた。安保理外交筋によると、中国とロシアは従来通り対北朝鮮制裁に反対の立場を取り、安保理として一致した声明は出されなかった。
中略
日本と米英仏、アルバニア、アイルランドは10日の会合前に共同声明を発表。「5日の弾道ミサイル発射は、複数の安保理決議に対する明確な違反だ」と非難した上で、北朝鮮に対し、大量破壊兵器や弾道ミサイル計画を放棄し、意味ある対話に参加するよう求めた。
石兼公博国連大使は10日、報道陣の取材に応じ「考えを同じくする国がしっかりと集まって、事態の深刻さが増していると訴える意義があった」と強調。北朝鮮による11日の発射については「度重なる国際社会の呼び掛けを無視して挑発行動に出たことは許せない。団結して安保理決議実施を呼び掛けていく」と語った。
これを見ても中国とロシアが北朝鮮の背後で何かしら関与しているのは明らかだ。
国連の設立目的は「世界平和の維持」で、かつて侵略を行ったからと、日本とドイツは常任理事国になれなかった。だとしたら、現在進行形で他国に侵攻を目論んで、平和を脅かす中国とロシアを常任理事国から外せないのか?そんな思いがよぎる。
西側諸国は北朝鮮に兵器開発をやめさせるように制裁するよりも、中国とロシアから国連での地位をはく奪したほうが早いのかもしれない。しかし、そうなれば中国もロシアも黙っていないで有事に突入するかもしれないので、そんな力業も打てないだろうが。
心配なのは、日米英などの西側諸国が根負けして何も言わなくなることだ。