【八重山日報】日本沖縄政策研究フォーラム理事長「沖縄は中国工作の重要な現場。要員が民間企業の従業員や学者の身分で活動している」と危機感訴える
日本沖縄政策研究フォーラムの仲村覚理事長が「沖縄は中国工作の重要な現場。要員が民間企業の従業員や学者の身分で活動している」と危機感を訴えたことを八重山日報が報じた。
日本沖縄政策研究フォーラム(仲村覚理事長)は8日夜、浦添市で「沖縄祖国復帰50周年へ向けて」をテーマに講演会を開いた。ノンフィクション作家の河添恵子氏が登壇し、昨年、フランスのシンクタンクが「中国は沖縄などで独立運動を煽っている」と指摘する報告書を出したことを取り上げた。
中国の大学やシンクタンクは沖縄の独立論者と学術交流を進め、中国メディアは日本の沖縄領有権を疑問視する報道を繰り返している。「琉球独立運動、米軍基地反対運動、憲法9条改正と自衛隊増強に反対する左派、平和活動家は結束しており、中国が支援している」と主張した。
その上で「沖縄は中国工作の重要な現場」と述べ、中国国内の工作機関である統一戦線工作部や国家安全部、人民解放軍総参謀部などの要員が、民間企業の従業員や学者の身分で活動していると警鐘を鳴らした。
仲村氏は1946年、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーに対し県民や県出身の有識者らが祖国復帰を求める意見書を提出していたことを紹介。県民の粘り強い復帰運動が終戦直後から続いていたと強調した。https://news.yahoo.co.jp/articles/87385d90434b9f689bd172a0d113c496cc952e82
中国による沖縄での工作活動は、海外でも注目されていた。昨年11月に産経新聞が「仏研究所が警鐘 中国の沖縄浸透工作 産経新聞パリ支局長 三井美奈」という記事を配信していた。
米国と中国の対決で欧州の動向が注目される中、フランス軍と関係の深いシンクタンク「フランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)」が、中国が世界で展開する情報戦について報告書を発表した。その中で、中国が沖縄と仏領ニューカレドニアで独立派運動をあおり、「潜在的な敵」の弱体化を狙っていると警鐘を鳴らした。
中略
沖縄は、ニューカレドニアと同じような手法で、中国が浸透を図っている例として挙げられた。島民の独立運動への関与を深め、日本や在日米軍の勢力拡大を阻止しようというのである。沖縄の重要性 IRSEM報告書は、日本は島国気質が残り、国民の日本人としての一体感が強いとしたうえで、「沖縄や琉球諸島全体は例外である」と紹介した。島の住民には第二次世界大戦の苦い経験から、本土への複雑な感情が残ると説明し、それが中国に付け入るスキを与えていると指摘する。
「住民は、日本(本土)に対して意見が分かれている。親中感情が広がっており、対中貿易で地元が恩恵を受けることで、助長されている。それは、中国にとっては利用可能な弱点であり、戦略的な好機にもなる。琉球諸島は、太平洋の第二列島線(伊豆諸島から小笠原諸島、ニューギニアに至る中国の軍事防衛ライン)へのアクセスを固められる位置にあるからだ。さらに、一石二鳥の効果も見込める。日本だけでなく、沖縄の在日米軍を妨害できる」
日本では「沖縄独立」論と聞いても現実味が乏しく、一部の過激な議論のように響く。だが、中国が沖縄の反米軍基地運動に乗じているのは間違いない。報告書は、こうまとめている。
「沖縄には、米軍基地を敵視し独立を求める住民運動があり(中国には)、好都合だ。島民は大多数がアンチ東京派で中央政府に反感を抱いている。その表れとして、二〇一八年には米軍基地に異議を唱えてきた玉城デニー知事が当選した。沖縄県は米軍の縮小を目指して戦っている。東京の中央政府は、沖縄が一方的に独立宣言する危険について深刻に受け止めている。中国は、外交や偽ニュース、さらに米軍基地に近い沖縄北部への投資拡大によって(独立を)促している」
中国は近年、こうした情報戦を世界中で展開し、めきめきと力をつけている。「日本政府と沖縄の分断をあおっている」という見方には、説得力がある。
https://www.sankei.com/article/20211107-JKWM6XZ7BBNQPI3PEB56TE3L7I/
つまりは、沖縄県の現状は中国の思うつぼという訳だ。八重山日報や産経新聞は沖縄での中国の工作に危機感をもって報じているようだが、他のメディアからはこのような報道はあまりないことが非常に残念だ。