菅直人元首相の投稿巡り、維新が立民に抗議文提出へ　菅氏「抗議するなら私にすべき」

日本維新の会の馬場伸幸共同代表が、立憲民主党の菅直人元首相のツイート発言に対して泉健太代表宛に抗議文を提出する。

立憲民主党の菅直人元首相が日本維新の会を創設した橋下徹氏に言及した上で維新を「（ナチス・ドイツの）ヒトラーを思い起こす」と自身のツイッターに書き込んだ問題で、維新がまとめた抗議文の全容が判明した。２６日に立民側に提出する。

抗議文の差出人は馬場伸幸共同代表、宛先は立民の泉健太代表となっており、「看過できない。いったい、どのような人権感覚を持っているのか。怒りを覚える」と抗議している。

また、「菅氏は首相を務め、なおも野党第一党の重責を担う大幹部だ。これを放置するのであれば貴党の責任も問われる」として、立民と菅氏に対し、月内に投稿の撤回と謝罪をするよう要求している。

維新幹部は産経新聞の取材に「立民が逃げ回るならば党本部に乗り込む。維新を怒らせたらどうなるか徹底的に思い知らせる」と語った。

菅氏は２１日、「橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的」と記載した。維新に関しては「弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒトラーを思い起こす」と書き込んだ。

２５日も「私の維新に関するツイッターに、非常に多くの人から応援のハッシュタグが送られて来ています。応援ありがとう。」と発信している。

https://www.sankei.com/article/20220125-XF7UMVSJFVMADOWPFLFYIIYKNE/

党をも巻き込んでしまったツイートをした本人はこんなツイートを25日にしていた。

私の維新に関するツイッターに、非常に多くの人から応援のハッシュタグが送られて来ています。応援ありがとう。

— 菅直人 衆議院議員（府中･小金井･武蔵野） 立憲民主党 (@NaotoKan) January 25, 2022

ツイッターのフォロアーからの称賛に酔ってしまっていたようだ。

しかし、26日になって「抗議するなら私にすべき」と投稿。

維新は私の発言について政党である立憲民主党に抗議をするという。しかし、私の発言は党から指示されての発言ではない。私自身の考えを述べたもの。抗議するなら私自身に対してすべきだ。しかし日本は自分の考えを表明することができない社会ではないはずだ。

— 菅直人 衆議院議員（府中･小金井･武蔵野） 立憲民主党 (@NaotoKan) January 25, 2022

ことが大きくなり、慌てて投稿したのだろう。だが、長年政治家を務めて首相まで経験していたのにこの程度の認識しか持っていないことに呆れてしまう。

党に対して抗議して、党が抗議を受け入れれば菅氏に注意をするというのが一般的ではないか。例えば、菅氏が維新の議員個人に対して批判をしたというのなら、互いに舌戦を繰り広げればいい。しかし、公の場で日本維新の会という党に対してヘイトととれる発言をしたのだから、維新の会の立場としては立憲民主党に抗議して菅氏に注意してもらうのは一般社会の観点から言っても普通のことではないだろうか。

菅氏はさらに「日本は自分の考えを表明することができない社会ではないはずだ」と述べているが、ヘイトはいけない。

松井一郎大阪市長も「言ってはいけないヘイト」と批判している。

日本維新の会の松井一郎代表は２５日、立憲民主党の菅直人元首相が自身のツイッターで維新創設者の橋下徹氏に言及した上で、ナチス・ドイツの「ヒットラーを思い起こす」と投稿したことを「言ってはいけないヘイト」と批判し、立民に抗議文を送付することを明らかにした。大阪市役所で記者団に答えた。

「言ってはいけないことを公党の元代表であり首相経験者、（立民の）最高顧問がオープンな場で言った」と指弾。党としての正式な回答を求めるとした。

松井氏はまた「立民は（元首相の）森（喜朗）さんの女性蔑視発言をいっぱい批判していたんちゃうんかな。（菅氏の投稿は）それよりひどい」と述べた。

https://www.sankeibiz.jp/article/20220125-5XQ4MDM76BNQREKUOWBUOYICQM/

自分の考えを表明することが自由だ。立憲民主党の議員が日本維新の会を批判するのももちろん自由だ。ただ、言葉を選ぶべきだ。ただでさえネット上などでの誹謗中傷が問題視されている昨今で、立憲民主党の最高顧問がヘイトとも受け取られる投稿をしたのだから、そこは素直に謝罪するべきだった。

菅氏は正論を述べていると思っているようだが、この投稿で菅氏があらゆる面で認識が低いことが浮き彫りになってしまった。