「間違いなく選ばれると思っていた」春の選抜落選の理由に首をかしげる 高校野球とは、地区大会とは何だろう?
高校野球界が揺れている。
甲子園春のセンバツに、東海大会準優勝で当確ともいわれた静岡県の聖隷クリストファーが選考漏れした。これには静岡県高野連も「いったい高校野球って何なんだろうって混乱してます。今まで信じていたものが崩れてしまった」と胸の内を明かした。
前年東海大会の決勝進出校が順当に選出されなかったのは44年ぶり。
静岡県高野連「評価してほしかった。非常に悔しい思いでいっぱいです」県高野連には抗議の声が殺到
静岡県高野連の理事会が31日、静岡市内で行われ、昨秋の東海大会準優勝の聖隷クリストファーが今春センバツで選考漏れした件について高橋和秀会長(58)ら幹部が見解を語った。
表情にも語り口にも無念さがにじみ出た。同会長は昨秋東海大会で聖隷の正バッテリーが故障しながらも周囲の選手がカバーして勝利を重ねた点を挙げ「評価してほしかった。非常に悔しい思いでいっぱいです」と声を大にした。渡辺才也理事長も「(役員としてでなく)個人としての話」と断った上で「(選考委員から)『個人の力が上回った』という話があったが、裏を返せば(聖隷が)劣っていたと聞こえかねない。聖隷の選手の思いを考えるとかける言葉が見つからない」と吐露。「戦力がそれほどなくても頭や知恵を使って勝っていく。それを見事に体現した。それを評価されなかった。いったい高校野球って何なんだろうって混乱してます。今まで信じていたものが崩れてしまった」と悲痛な胸の内を明かした。
同理事長によると、県高野連には抗議の声が殺到しているという。「数は数えきれていませんがひっきりなしに電話が来ています」。日本高野連にはこうした状況を電話で伝えたという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1eefae9fcc7bf37d798b1aabe9e3abf933130943
抗議の声が殺到しているようだが、当たり前だ。あまりにも納得できない理由だ。ただ、苦情は県高野連にではなく、日本高野連にすべきだろう。
聖隷監督「私は間違いなく選ばれると思っていましたが」 主将「夏に1番をとれるようにやっていきたい」
1985年の創部以来、38年目で初の甲子園出場を信じ、吉報を待った。しかし、同校の校長でもある上村敏正監督(64)の元に届いたのは補欠校となった知らせだった。
上村監督はグラウンドに直行。ナインに「残念ながら大会本部からの報告はありませんでした。私は間違いなく選ばれると思っていましたが」と伝えた。
エースの弓達寛之主将(2年)は「非常に残念。甲子園は高校球児の夢。夏に1番をとれるようにやっていきたい」と気丈に振る舞った。上村監督は選考漏れした理由について「総合力のなさだったと聞いたが…。けが人が出て満身創痍の中で準優勝した結果は評価されてもいいのでは」と納得できない様子だった。
https://www.daily.co.jp/baseball/2022/01/29/0015019416.shtml
努力で積み上げた勝利を総合力を理由に落とされてはやるせない気持ちになるだろう。
東海地区選考委員長「選手個々の力量に勝る」「甲子園で勝つ可能性を客観的に判断」
東海地区選考委員長・鬼嶋一司氏は意見が分かれたとしながらも、「選手個々の力量に勝る」「甲子園で勝つ可能性を客観的に判断」と、大垣日大を選んだ理由を説明していたが、集まった取材陣は首を傾げるばかりだった。
選手個々の力量に勝るとあるが、野球は団体競技で、個々が劣っていても戦術やチームワークなど、工夫次第で強者を負かすことのできるスポーツではなかったのだろうか。それを否定してしまっては逆に教育上よろしくないと感じるのだが。
選考委員は、聖隷と大垣日大が直接対決したら大垣日大が勝っていたと言いたいのだろか。たらればを持ち込むのか?
各方面からも疑問視される
ダルビッシュ有氏「聖隷クリストファー高を選考した上で特別枠で大垣日大高を選考するべきではないんですかね?」
「個人の力量に勝る大垣日大」って。
それするならせめて聖隷クリストファー高を選考した上で特別枠で大垣日大高を選考するべきではないんですかね?なぜ聖隷クリストファーではなく大垣日大が選ばれた? 選考委員が語った選出の理由 | Full-Count https://t.co/kP5OoIgl8D
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) January 28, 2022
上原浩治氏「選ぶんなら、分かりやすくした方がいいよね」
選ぶんなら、分かりやすくした方がいいよね🧐
個人的な意見として地区から選ぶ数を、
1(優勝した高校)、2(決勝まで)、4(ベスト4)、8(ベスト8)…でどうかなただ今回は決勝まで行ったのに選ばれなかった。委員のコメントとして、「個人の力量」っていうのは違うよね。
野球は団体競技⚾️
— KOJI UEHARA (@TeamUehara) January 30, 2022
青山学院大学の原晋監督「誰もが納得できる選考にして欲しいですよね!」
そもそも選抜高校野球の明確な選考基準は?高校生の力量はひと冬越えれば一気に伸びる事多々ありますからね⁉︎誰もが納得できる選考にして欲しいですよね! https://t.co/HqMEtwON1a
— 原晋 (@hara_daisakusen) January 30, 2022
静岡新聞「何のための東海大会」
選抜高校野球の選考委員会が開かれた28日、出場が有力視された聖隷クリストファーには、予想できない結末が待っていた。
昨秋の東海大会は堂々の準優勝。決勝までの道のりは逆転に次ぐ逆転。主力をけがで欠く中、普段はベンチを温める選手も立派に代役を果たし、土壇場で見せた粘りは見事だった。試合を重ねるごとにチームは成長した。
大垣日大(岐阜)の選出理由は「個人の力量で勝る」とされた。では、何のための東海大会だったのか。そして、聖隷が劣っているというのか。
上原氏や原氏が述べるように、明確な選定基準を設けるべきではないだろうか。
他にもネット上では選定理由に首をかしげる人が続出だった。
大垣日大「聖隷さんの分も頑張らないと」
選手にとっても予想外となる吉報に西脇は「素直にうれしかった。鳥肌が立ちました」と笑顔。両親に電話で報告すると「夢がかなったな。これからだぞ」と激励を受けたという。ただ、すぐに神妙な面持ちに戻り「聖隷さんの分まで頑張らないといけない。その思いしかないです」と言葉を続けた。
https://www.daily.co.jp/baseball/2022/01/30/0015021768.shtml
大垣日大も相当なプレッシャーになると思うが、選手たちはそこについて気負うことなく思う存分プレーしていただきたい。昨今のSNSのことを考えると、大垣日大をバッシングする方々が出てきてしまうのか?と心配だ。彼らも大人の事情に巻き込まれただけで、批判するなら高野連だけにしていただきたい。