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北京五輪閉幕 際立った政治利用も、バッハ会長「文句なしの舞台を安全な形で整えてくれた」 一方でメダリストは「オリンピックを許可したIOCは極めて無責任だ」「もう中国には行かない」




20日に北京冬季五輪が閉幕した。不可解な裁定などが目立ち何かと波紋を呼んだオリンピックだった。中国で行われる大会だったからそういうことも想定していた人も多かったようだ。そして、何より目に余ったのは中国の露骨な政治利用だ。

時事通信は「際立った政治利用 習氏3期目へ実績 北京五輪」と報じた。

北京冬季五輪が20日閉幕し、今秋の中国共産党大会で異例の3期目入りが確実視される習近平国家主席(党総書記)の実績がまた一つ加わった。

「外交ボイコット」に踏み切った欧米諸国を「スポーツの政治化に反対する」と批判しながら、五輪を政治的に最大限利用したのは間違いなく中国だった。

過去最多のメダル15個を獲得した中国選手団の活躍と、新型コロナウイルス禍が世界で続く中での2度目の五輪「成功」は、国威発揚の役割を存分に果たした。国営メディアは「五輪を通じ、信頼され、愛され、尊敬される中国を世界は見た」と自賛する。

しかし、17日の国際オリンピック委員会(IOC)の定例記者会見で、大会組織委員会の厳家蓉報道官は「台湾は中国の一部だ」「新疆ウイグル自治区での強制労働はでっち上げだ」とまくし立て、中国の異質ぶりを改めて示した。五輪の政治的中立を侵しかねない言動だが、中国国内で評価されることはあっても批判されることはない。

中国は4日の開会式で聖火リレーの最終走者の一人にウイグル族の女性選手を起用し、人権弾圧批判に反論。国営テレビの中継は、台湾の代表団を「中華台北」ではなく「中国台北」と呼び、「現状変更」を試みた。ドーピング問題で本来出席できないロシアのプーチン大統領を特例で招待して「主賓」扱いしたのも、欧米に対抗する意図があるのは明らかだ。

習氏は16日発売の党理論誌「求是」で、「決して西側諸国の法治体系を基準にしたり、『追っ掛け』をしたりしてはいけない」と強調した。増大した国力を背景に国際秩序の変更を目指す中国と、欧米を中心とした民主主義陣営との対立は解消しそうにない。

北京では例年通り3月5日から重要な政治イベント、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が始まる。同4日から始まる冬季パラリンピックとは関係なく、党大会に向けた「政治の季節」が本格化する。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4496fa9c4e531fb4e608ef5f53c212a7717b30bc

それに伴って目に余ったのがIOCの中国へのすり寄る姿勢だ。

wowKoreaはメダリストたちが「IOCが中国に、冬季オリンピック開催の権限を与えたことは理解できない」「中国のように人権を露骨に侵害する国に、オリンピックを許可したIOCは極めて無責任だ」と述べていたことを紹介した。

IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が「今回の北京冬季オリンピックは非常に成功的だった」と語っている中、今回の五輪でリュージュ2冠に輝いた選手が「もう中国には行かない」と語った。

香港の日刊紙“明報”が19日、ドイツの国際公共放送“ドイチェ・ヴェレ(DW)”から引用した内容によると、北京五輪でリュージュ2冠に輝いたドイツのナタリー・ ガイゼンベルガー選手は、ドイツに帰国した後のインタビューで「IOCが中国に、冬季オリンピック開催の権限を与えたことは理解できない」と語った。つづけて「選手たちは、そのような状況に直面すれば無力な場合が多い」と吐露した。

この選手は「人権問題を含めた懸念により、北京五輪への参加について長い間ためらっていた」とし「中国の人権問題により金メダルの夢をあきらめることはできず、家族も私の夢のために多くの支援をしてくれたので、競技のために中国に行き私の任務を完遂することにした」と説明した。

また「対話を準備する間は、そのような問題を考えないように努力した」とし「家に戻ってきたので、もう中国には行かないだろう」と強調した。

今回の五輪で2つの金メダルを獲得したスウェーデンのスピードスケート選手のニルス・ファンデルプール氏も、帰国直後のインタビューで「中国のように人権を露骨に侵害する国に、オリンピックを許可したIOCは極めて無責任だ」と批判したと、英字紙“台湾ニュース”などが報道した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8791679197348e0d053273d953c6f6d061dc7586

参加した選手すらIOCに疑問を感じているようだ。しかし、むしろ参加したからこそ強く感じたのかもしれない。

そのIOCのバッハ会長だが、閉会式で「中国の皆さんが文句なしの舞台を安全な形で整えてくれた。ありがとう、中国の友人の皆さん」と大会運営を称えた。まぁ、そういうしかないだろう。開催国を立てることは今後のオリンピック運営にとって大切なことだ。しかし、今回ばかりはチャイナマネーに跪いたとみるべきだろう。







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