ロシアの外務省報道官、日本が北方領土の主権を主張することは「永久に忘れた方がいい」
「ロシアがウクライナに侵攻したことで、日露の北方領土問題を含む平和条約交渉は事実上、振り出しに戻った」と読売新聞が2月25日に報じた(参考)。そして、3月3日にロシアの外務省報道官が、日本が北方領土の主権を主張することは「永久に忘れた方がいい」などと発言した。ロシアへの制裁と非難決議への当てつけだと思うが、もっともロシアは最初から北方領土を日本に帰す気などさらさらなかったのではないだろうか。
ロシア外務省幹部が定例会見で3月3日、日本が北方領土の主権を主張することは「永久に忘れた方がいい」などと発言しました。ウクライナへの侵攻で国際社会から孤立する中、異例の直接的な発言で、領土交渉がさらに難航する恐れがあります。
発言したのは、ロシア外務省のザハロワ報道官です。
ザハロワ報道官は、日本の外務省の宇山秀樹欧州局長が2月28日、国会で「ロシアが北方領土を占領した」と話したことを受け、「日本の外交官の発言に秘められた”報復主義”を指摘したい。我々は(宇山局長の発言は)日本の政界で特定の勢力がロシアに領土を引き渡すよう求めていることを念頭に置いている証拠とみなしている。このやり方は永久に忘れることを勧めたい」と述べました。
日本政府は一貫して「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島からなる北方四島は、一度も他国の領土となったことがない日本固有の領土で、ロシアの不法占拠が続いている」との立場です。
ロシアは2020年7月、憲法に「領土の割譲を禁止する条項」を盛り込み改正していて、北方領土の交渉そのものが難しくなったという立場を示す発言が目立ちますが、日本側は平和条約締結に向け、帰属問題の解決を目指す立場を堅持しています。
ザハロワ報道官の発言は、ウクライナ侵攻で国際社会から孤立するロシアが強硬姿勢を強めていることを示唆したもので、今後の領土交渉がより一層、難航する恐れがあります。
吉田康一郎元都議は怒りのツイート。
舐めるなよ。
樺太全島、全千島が我が日本の歴史的領土です。北方領土の主権主張「永久に忘れた方がいい」…ロシア外務省幹部が強硬姿勢示す 交渉"さらに難航"の恐れ 2022.3.4 FNNhttps://t.co/0lsEsrXzXH
— 吉田康一郎 (@yoshidakoichiro) March 4, 2022
国際政治学者のグレンコ・アンドリー氏は「日本への嫌がらせ」と投稿。
侵略国ロシアは、どの状況でも日本への嫌がらせを忘れません。https://t.co/e3zBvVaeBH
— グレンコ アンドリー(新刊「NATOの教訓」発売中) (@Gurenko_Andrii) March 4, 2022
日本共産党の志位和夫委員長もロシアを非難。
日本の主張が「報復主義」と。 その言葉はロシアにそのままお返ししたい。 スターリンは千島列島の占領を日露戦争の「報復」と位置付けた 。この覇権主義を日本国民として永久に忘れるわけにはいかない。 覇権主義の清算こそが領土問題の解決に不可欠だ。https://t.co/I00UnPxCL6
— 志位和夫 (@shiikazuo) March 5, 2022
一般ユーザーからも怒りの投稿が相次いでいた。
ウクライナがなぜ降伏しないかがこれだ。まともに相手をしていてはロシア相手に失った主権は2度と戻ってこないとわかっているからだ。わかります?玉川さん?