ゼレンスキー大統領の国会演説 国民・玉木代表「日本の国会でもやったらいいではないか」 立民・泉代表「国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ」
立憲民主党の泉健太代表は、ロシアに侵攻を受けているウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説をしたいと打診したことについて、国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件と主張した。演説前に首脳会談を行い何を語るか打ち合わせしろという意見だ。
立憲民主党の泉健太代表は16日、ロシアによる侵攻を受けているウクライナのゼレンスキー大統領による日本の国会でのオンライン演説について「他国指導者の国会演説は影響が大きいだけに、オンライン技術論で論ずるのは危険」とツイッターに投稿した。
泉氏は「私は日本の国民と国益を守りたい。だから国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ」と主張。「演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ」とした。
ゼレンスキー大統領による日本の国会での演説。
他国指導者の国会演説は影響が大きいだけに、オンライン技術論で論ずるのは危険。私は日本の国民と国益を守りたい。だから国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。
演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ。 https://t.co/3N6nigdPAM— 泉健太🌎立憲民主党代表|衆議院議員 (@office50824963) March 15, 2022
あまりロシアを刺激するなと言いたいのだろうか。それならプーチン大統領にも語らせたらいいと思うが、国連でのロシア側のスピーチや在日ロシア大使の嘘八百の意見を見れば聞く価値すらないだろう。そもそも「何を語る」よりも「日本の国会で演説する」という行為がロシアへの強いメッセージになると思うのだが。
泉代表の主張に対してネットでは賛否が分かれている状態だ。
好き勝手なこと言われて、日本もそれに同調してると思われる恐れもあるしね。
と、泉代表の主張に賛同する意見もあれば批判の意見も
すでに英議会と米議会で演説を行っているゼレンスキー大統領。英議会では次のようなことを語った。
ゼレンスキー大統領は「この戦争はわれわれが始めたわけでも、望んだわけでもない。しかし母国であるウクライナを失わないために戦わなくてはならない」と訴えました。
そして侵攻開始からの13日間でロシア軍からのロケット弾などによる攻撃で50人以上の子どもが命を失い、ウクライナ国民は水を手に入れられない状況も続いているなどと説明しました。
そのうえで「われわれは生きるか死ぬかという問題に直面している。答えは決まっている。生きることだ」と強調しました。
第2次世界大戦中の1940年に当時のチャーチル首相が議会で行った演説になぞらえて「われわれは決して降伏せず、決して敗北しない。どんな犠牲を払おうとも海で戦い、空で戦い、国のために戦い続ける」と述べたうえで、ロシアに対する制裁のさらなる強化をイギリスや国際社会に求めました。
動画:「決して降伏せず、敗北しない」 #ウクライナ 大統領が英議会で演説 pic.twitter.com/W2TdWPNG1Z
— ロイター (@ReutersJapan) March 9, 2022
このゼレンスキー大統領の演説を国民民主党の玉木雄一郎代表が絶賛。
英国下院議会でウクライナのゼレンスキー大統領が行ったシェークスピアのハムレットからチャーチルの演説につながる名スピーチは見事で、民主主義国の世論を味方につける上で大きな影響を発揮すると思われる。日本の国会でも演説してもらいたいが、オンライン中継が本会議場ではまだできないのが残念。 https://t.co/nJxcv51OSs
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) March 12, 2022
玉木代表はこの演説を聞いたうえで「日本の国会でもやったらいいではないか」と訴える。
ウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン演説、日本の国会でもやったらいいではないか。前例が無いとの理由で断るなんてあり得ない。モニターかスクリーンを持ち込めばいい。前例にないことが起こっているのだから、柔軟に対応すべき。議員運営委員会で問題提起したい。https://t.co/u6ytK2bKmp
— 玉木雄一郎(国民民主党代表) (@tamakiyuichiro) March 15, 2022
ここでも立憲民主党と国民民主党の意見が割れた状態になった。
泉代表の言いたいことも解らないわけではないが、国会で演説する内容について国益だなんだと言っているが、日本はすでにロシアに対して非難決議を出して経済制裁も行っている。立憲民主党は賛成したのではないか?しかも、ロシアへの経済制裁について、森裕子参院幹事長も「あらゆる手段を徹底的に行うべきだ」との認識を示している。ロシアに配慮はいらないという認識ではないのだろうか。
ネットのコメントにもあるように、ゼレンスキー大統領が何を語ろうがそれを国会で追認するわけではない。おそらくゼレンスキー大統領は英米議会で語ったことと同じことを語るだろう。私個人としては共同声明を出す方がロシアに「日本がウクライナに同調した」と受け取られ、より敵視される可能性があると考える。
ロシアを刺激することを語るなというのならそれは演説をするなと言っているに等しいのではないだろうか。