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玉川徹氏「ミンスク合意を履行されていたらこの戦争はあったんだろうか」 ブダペスト覚書についてはどうお考えなのだろうか?




テレビ朝日の玉川徹氏の発言がまたも話題となっている。

玉川氏は「僕は戦争自体を憎んでます。いろいろな大義があって、だいたい戦争は自衛の名の下に行われている。今回もロシアは自衛だと言っている。だから、戦争自体が反対なんです」と述べたうえで、ミンスク合意が話題となると「もしミンスク合意を履行されていたらこの戦争はあったんだろうかというのを考えなければいけないんじゃないか」と言及。ウクライナがミンスク合意を履行していれば今回の侵攻はなかったと言わんばかりである。ロシアの主張をそのまま述べる玉川氏にネット上で批判の声が多く上がっていた。

 テレビ朝日の玉川徹氏が29日、「羽鳥慎一モーニングショー」に出演。ロシアのウクライナ侵攻について、「ミンスク合意を履行されていたらこの戦争はあったんだろうかというのを考えなければいけないんじゃないか」と問いかけた。

ミンスク合意は、2014年にウクライナの東部ドンバス地域での内戦を停戦するためにロシアとウクライナが結んだ合意した文書。

番組はロシアのウクライナ侵攻について特集。玉川氏は「僕は戦争自体を憎んでます。いろいろな大義があって、だいたい戦争は自衛の名の下に行われている。今回もロシアは自衛だと言っている。だから、戦争自体が反対なんです」と力を込めた。

続けて「だけど攻められたらしょうがないじゃないか。守らなきゃいけないじゃないかということも分かる。でも僕は政府の仕事というのは、それでも戦争という状況に国を追い込まないためにいったい何ができるか」と問いかけ「戦争という状態になっちゃったら人が死んじゃうんですよ。地獄のような状況になっちゃう」と話した。

話はミンスク合意に及び「合意が結ばれたときには履行しようとしたんだけど、ゼレンスキー大統領は大統領選で無視するよということで当選している。大統領になってからもアメリカを巻き込んで破棄するような方向ですすめていく」と分析し「もしミンスク合意を履行されていたらこの戦争はあったんだろうかというのを考えなければいけないんじゃないか」と言及。ミンスク合意を破棄することを目指したゼレンスキー大統領を問いただすような論調を展開した。

これに対して、廣瀬陽子慶大教授は「ウクライナはまったく同意していなかった。しかし2014年の内戦は、非常にウクライナにはつらいもので、止めないと分断してしまうということで合意してしまったという経緯がある。そのときは停戦すれば挽回できるという思惑もあった」とコメントした。

それでも玉川氏は「とはいえ、合意は合意ですよね」と確認。司会の羽鳥慎一から「100%納得の合意じゃない」と言われても「それなら合意しなければいい」と突っぱねた。羽鳥が「それだったら(ドンパス)戦争が終わらない」とただしても「終わらないというより、こういう戦争になってしまう。だからこそ、為政者はその辺を考えなければいけない」と主張。「難しいとはいえ、合意をしていたということは合意をしていたわけで、ロシアに攻め込む口実を与えないためにはどうしたらよかったのか」と続けた。

引用元 玉川徹氏 ミンスク合意破棄目指したウクライナ大統領を疑問視「露に攻め込む口実与えた」

では、玉川氏はブダペスト覚書についてはどうお考えなのだろうか。ミンスク合意云々の前に、ミンスク合意のきっかけになった、ロシアによるクリミア侵攻自体がブダペスト覚書に違反していたかどうかを論じるべきではないのか。もちろん今回もブダペスト覚書に違反した行為だ。

覚書によると 、ロシアと米国と英国は、ベラルーシとカザフスタンとウクライナが核不拡散条約の加盟国になったことを認め、実際には核兵器をロシアに引き渡すことで、 彼らは次のようにする。

1.ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの独立と主権と既存の国境を尊重する。
2.ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する脅威や武力行使を控える。
3.ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに政治的影響を与える目的で、経済的圧力をかけることは控える。
4.「仮にベラルーシ/カザフスタン/ウクライナが侵略の犠牲者、または核兵器が使用される侵略脅威の対象になってしまう」場合、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに支援を差し伸べるため即座に国連安全保障理事会の行動を依頼する。
5.ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する核兵器の使用を控える。
6.これらの誓約事に関して疑義が生じた場合は、互いに協議を行う。

引用元 Wikipedia「ブダペスト覚書」

ウクライナは核を手放す代わりに、ロシアと米国と英国から安全保障を提供されたのだ。そのロシアがクリミア侵攻に続いて今回の侵攻に及んでいることを玉川氏はどうお考えになっているのだろうか。もっとも支援を即座に差し伸べるべき国連がいまいち機能していないのだが。

記事を見ても「とはいえ、合意は合意ですよね」と頑なな玉川氏だが、それならば領土不拡大の原則に違反したロシアの北方領土占領や、日韓基本条約や日韓合意を違反している韓国についても番組で強く非難していただきたい。







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