自民・牧原議員「中国の王毅外相が25カ国·地域と協議。日本の外務大臣は国会に拘束され9時から5時まで座って質問は2問」 自民・松川議員「危機の時代の正面に立っていることを直視するべきだ」
自民党の牧原秀樹衆議院議員が、中国の王毅外相が25カ国·地域と協議している中、日本の外務大臣は国会での2問の質問に朝から夕方まで拘束されていることツイッターで訴えかけた。
中国の王毅外相が25カ国·地域と協議、とあった。日本の外務大臣は国会に拘束され、先日の参議院決算委では9時から5時まで座って質問は2問だったそうだ。
国会のルール改正は全会派一致が原則なので非常に困難だが、この古くて硬直すぎる国会を変えないと日本が取り残される根本原因になってしまう。— 牧原秀樹 まきはらひでき 衆議院議員 自民党 埼玉5区 (@hmakihara) March 30, 2022
牧原議員の投稿に自民党の松川るい参議院議員が「まったくその通り」と賛同したうえで、「外務大臣の仕事は外交だ」「国会対応は副大臣でいい」と持論を述べ「危機の時代の正面に立っていることを直視するべきだ」と訴えた。
まったくその通り。日本は国会縛りが無駄にきつ過ぎる。こんなことしてる暇も余裕も日本にないと思う。 https://t.co/yaG8JZM5FS
— 松川るい =自民党= (@Matsukawa_Rui) March 31, 2022
どうでもいいメンツとかformalityのために本来の仕事の実施を阻害するのは国会の悪弊の最たるもの。外務大臣の仕事は外交だ。こんなに外務大臣の仕事の邪魔をし続ければ、そのうち国会って一体何のためにあるの、と疑問視される存在になってしまうだろう。国会対応は副大臣でいい。
— 松川るい =自民党= (@Matsukawa_Rui) March 31, 2022
危機の時代の正面に立っていることを直視するべきだ
— 松川るい =自民党= (@Matsukawa_Rui) March 31, 2022
総理大臣や国務大臣の国会拘束については、森山裕衆議院議員が国会対策委員長に就任していた際の発言を朝日新聞が報じていた。
日本は、総理大臣が国会に拘束される時間があまりにも長すぎる。総理が大事な外交日程をしっかりこなせるような国会運営のあり方を考えなければいけないのではないか。
米国は、(年間で)上院にトランプ大統領は1日出るだけ。下院には1時間だけ。フランス大統領は1日しか国会に出ない。イギリスも40時間くらい。ドイツは14日。日本の総理はだいたい90日~100日くらい出ている。ここを少し改革をしていかないと、国際社会の中で日本が一定の役割を果たすということは、無理があるように思う。
我々は議論を避けているわけではない。議論はしっかりやらなければならないが、ここは少し改めていくということが大事なことなのではないか。
安倍晋三前総理が総理大臣時に、産経新聞が次のような報道をしていた。
安倍晋三首相(64)は通常国会召集日の1月28日、施政方針演説を行い「平成の、その先の時代に向かって、日本外交の新たな地平を切り拓く」と宣言した。安倍首相は外交重視の姿勢を示すが、今後連日のごとく国会への出席を強いられる「死のロード」(政府関係者)に入るため、当面外遊は制限される。与野党間には国会改革の機運はあるが、首相や閣僚の出席の合理化に関する議論は進んでいない。国際情勢の不確実性が増す中、日本のトップだけが突出して国会に縛られる状況が続く。
自民党関係者の間で語られている外交小話がある。
メルケル独首相「昨年は国会に何十時間も出席して大変だったのよ」
安倍首相「私は100日ぐらい国会に出ましたよ」
メルケル氏「…」
安倍首相も国会への出席時間について「自分は世界一長いのではないか」と親しい議員に語っている。諸外国と比較して、日本の首相の国会出席日数が多いのは紛れもない事実だ。
総理大臣や国務大臣が出席しないと日本の国会は成り立たないのか?と思われているかもしれない。
何でもかんでも総理大臣や国務大臣に質問をするという意識改革がまずは必要だろう。
憲法にはこうある。
第六十三条
内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。引用元 日本国憲法第63条
各議院から答弁、説明のために出席を求められた場合には 出席の義務があることを定めている。逆にいえば、松川議員が指摘するように副大臣や政務官がその役を担えば総理や国務大臣の国会負担が激減する。現在のルールでも質問者の意識改革で大臣の負担を減らすことは可能なのだ。だが、なかなかそうならないから国会運営の見直しや国会のルール改正などという言葉が出てくる。
立憲民主党には政権運営を経験した議員や、自民党幹事長も務めた小沢一郎議員がいるのだから、その辺のことは理解していると思うのだが。
もちろん、国会答弁も大事な仕事だ軽んじてはいけないと思う。どうしても総理や大臣でなければいけない時は出席すべきだ。だが、牧原議員が指摘しているように実に合理的でないのが現状だ。意識改革で改善できないのなら、合理的な国会運営ができるように議論しなくてはいけない。