安倍前総理の防衛費6兆円程度確保に、公明・山口代表「防衛費だけ突出は妥当ではない」立民・泉代表「不誠実だ」⇒岸防衛相、ドイツの増額方針に「わが国も考えなければいけない」と大幅増額に意欲
安倍前総理が日本の防衛費を増額し、2023年度は、少なくとも6兆円程度の確保が必要だとの考えを示したことに対し、公明党の山口那津男代表と立憲民主党の泉健太代表が異論を述べた。
しかし、両氏の主張をよそに岸信夫防衛相は防衛費の大幅増額に意欲を示し、ドイツの増額方針について「わが国も考えなければいけない」との認識を示した。
山口代表「防衛費だけ突出は妥当ではない」泉代表「不誠実だ」
公明党の山口代表は「防衛費を全体として強化していく議論は必要だが、いきなり単年度で倍増に近い増額はすべきない」「防衛費だけを突出させるというのは妥当ではない」と述べた。
安全保障政策をめぐって自民党内では安倍元総理大臣が3日、防衛費をGDPの2%を念頭に増額し来年度予算では少なくとも6兆円程度を確保すべきだという考えを示すなど防衛費の増額を求める声が出ています。
これについて公明党の山口代表は、視察先の千葉県八千代市で記者団に対し「防衛費を全体として強化していく議論は必要だが、いきなり単年度で倍増に近い増額はすべきない。新型コロナや物価高騰で国民生活が打撃を受けているもとで歳入にも限界がある」と指摘しました。
そのうえで「社会保障や教育などの需要はとても大きく、それらを削る形で防衛費だけを突出させるというのは妥当ではない。税をどう配分するか政治の適切な判断が必要だ」と述べ、慎重な姿勢を示しました。
山口代表は「単年度で倍増に近い増額はすべきない」といっているが、2021年度当初予算の軍事費は5兆3422億円で倍増すれば11兆円強だ。そんな増額はどう考えても無理だからまずは6兆円程度の確保をすべきと安倍元総理は言っている。やがては2%にすべきという意見を単年度で倍増と表現するのはいかがなものだろうか。山口代表の勘違いかもしれないが、印象操作と受け取られかねない。
一方で、泉代表は「いきなり数字だけを述べるのは国民に対して不誠実だ」と述べた。
立憲民主党の泉健太代表は4日の党会合で、自民党の安倍晋三元首相が令和5年度の当初予算で防衛費を6兆円程度確保するよう主張したことについて、「常に彼はそういうところがある。中身なくいきなり数字だけを述べるのは国民に対して不誠実だ」と述べた。「防衛は国民の理解、納得のもとに体制を整備することが最も求められる。数字ありきではない」と強調した。
対案を示さず批判する党がよく言うと皆さんも思ったかもしれない。
安倍元総理はドイツに倣い日本も防衛費の増額を加速する必要があると訴えてたうえで具体的数字の目安を述べたに過ぎない。しかも、敵基地攻撃能力の保有ともなればそれなりの費用が掛かることは当然だ。中身は示しているではないか。
ドイツが防衛費を国内総生産(GDP)比2%超に増やすと表明したことにも触れ「日本もそれに向けて加速する必要がある」と訴えた。
政府が保有の是非を検討する敵基地攻撃能力について「(対象を)基地に限定する必要はない。向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」と主張した。
「防衛は国民の理解、納得のもとに」とあるが、読売新聞の世論調査では、日本が防衛力を強化することに「賛成」は64%という結果が出ている(参考)。この結果について両氏はどうお考えなのだろうか。国民の方がよほど危機感を持っているのではないだろうか。
岸防衛相、防衛費大幅増に意欲 ドイツの増額方針に「わが国も考えなければいけない」
岸防衛相は「防衛力の抜本的強化のため必要な予算を確保したい」と防衛費大幅増額に意欲を示した。
岸信夫防衛相は4日、共同通信社の単独インタビューに応じた。2023年度の防衛費を巡り「防衛力の抜本的強化のため必要な予算を確保したい」と述べ、22年度予算からの大幅増に意欲を示した。「敵基地攻撃能力」保有を視野に検討を進める意向を示唆。ロシアのウクライナ侵攻に国際社会が結束して対処し、台湾海峡有事が起きないよう中国の行動を抑止することが重要だと指摘した。
防衛費に関し「日本周辺の安全保障環境が厳しさを増す中、防衛力強化に一刻の猶予も許されない」と強調。ロシアの侵攻後にドイツが防衛費の増額方針に転換したことを挙げ「わが国も考えなければいけない」と訴えた。
自民党の山田宏議員は2020年度ではあるが、「GDP3位の日本は1.0で、世界149ヵ国中119番目の防衛支出しかしてない」と指摘。
公明 山口代表「防衛費だけ突出 妥当ではない」慎重な姿勢示す | NHK https://t.co/z4viBte0pd
2020年の軍事費のGDP比。露4.3、米3.7、印2.7、韓2.8、英2.2、仏2.1、豪2.1、台1.9、伊1.6、加1.4、独1.4%。GDP3位の日本は1.0で、世界149ヵ国中119番目の防衛支出しかしてない。スイスは0.8だが徴兵制。— 山田宏 自民党参議院議員(全国比例) (@yamazogaikuzo) April 4, 2022
ネット上ではむしろ「たった6兆円?」といった意見も上がっている。それに対して「そんなに戦争をしたいのか?」といった意見も相変わらず上がっている。
ウクライナの惨状を見たら防衛力強化は必須で、安全な国民の生活は国防の上に成り立っているという事を理解しなくてはいけない。そのためには防衛費増額は必須だ。