フィンランドとスウェーデンが今夏にもNATOに加盟する見通し 日本もロシアの隣国という共通の意識を持つべし
フィンランドとスウェーデンが今夏にもNATOに加盟するのではないかと報じられた。
英紙タイムズは11日、フィンランドとスウェーデンが今夏にも北大西洋条約機構(NATO)に加盟する見通しだと報じた。
米当局者が同紙に明らかにしたところによると、フィンランドとスウェーデンも出席した先週のNATO外相会議で、両国の加盟が議題に上ったという。
特にフィンランドはロシアとの国境が長く、ウクライナ情勢は他人事ではない。
フィンランド国防省ヤンネ・クーセラ氏は「仮に今後、フィンランドがNATO加盟を申請するとしたら、それはロシア自身の行動が原因だ」と語る。
フィンランド国防省で政策立案を担当する部門のトップ、ヤンネ・クーセラ氏は、理由をこう説明しました。
「仮に今後、フィンランドがNATO加盟を申請するとしたら、それはロシア自身の行動が原因だ。私たちに今できるのは、ほかのEU諸国と同じように行動することだ。将来フィンランドが厳しい状況に置かれたとき、NATOは私たちを助けてくれるだろう」
ロシア軍のウクライナ侵攻後、3月9日から11日に行われた調査では、NATO加盟支持が62%に達しました。
ウクライナはNATOに加盟していなかったからここまで侵略されたということだ。これが教訓を生かすという事だ。決して便乗ではない。
フィンランドの首都で最大の都市ヘルシンキの市民は「ロシアは脅威であり、今後も脅威であり続ける」「経済や社会などあらゆる面で、ロシアとは隣人としてのつながりがある。その関係を一気に変えるのは難しい」と複雑な思いのようだ。
ヘルシンキの市民からは
「ロシアは脅威であり、今後も脅威であり続ける」
「これまでは中立がいいと思っていたが、結局、中立であり続けることはできない」
などとNATOへの加盟を肯定的にとらえる声が聞かれました。これまで、NATOは軍事同盟だとして否定的な見方も強かったといいますが、ロシアに対して加盟国が団結して防衛にあたっていると評価する見方が広がっているようです。
一方で
「侵略を受けた歴史や、長い国境を接している現実を考えると、行動には気をつけるべきだ」
「経済や社会などあらゆる面で、ロシアとは隣人としてのつながりがある。その関係を一気に変えるのは難しい」
という複雑な思いを持つ人もいました。ロシアへの警戒感の高まりを背景に、みずから有事に備えようという人が増えています。
最も注意すべきは、両国が加盟申請してから加盟承認を受けるまでの期間、ロシアが黙ってみているかという事だ。ウクライナ侵略でロシア軍がかなり疲弊していることを考えれば、大規模侵攻はないとは思えるが、今のプーチン政権は何をしでかすか分かったものではない。それこそまた核使用をほのめかすかもしれない。
日本も遠い地の出来事と思わないことだ。距離は離れているが、ウクライナもフィンランドも隣国の隣国なのだ。ともにロシアの隣国という共通の条件を持っていることを考えれば、日本も日米安全保障の強化とともに、アジア諸国との連携強化を図り、イギリスやオーストラリアとの正式な同盟まで視野に入れてもいいのではないかと思う。