世界遺産の高野山参詣道がNHKの工事で破損 無許可で土嚢を敷き運搬車が走行
世界遺産の高野山につながる参詣道が、NHKが発注した工事によって破損されたことが話題となっている。しかも、無許可で行われたことでなおさらNHKへの不信感が高まっている。
世界遺産の高野山につながる参詣道で、NHKが発注した工事によって階段などが破損し、和歌山県が工事を中止するよう指導しました。
4月13日、和歌山県高野町の「高野参詣道女人道」で、県の世界遺産センターの職員が土のうが敷き詰められているのを見つけました。
県と高野町が調べたところ、周辺ではNHKのテレビ中継放送所の設備更新工事が行われていて、およそ200メートルにわたって無許可で土のうが敷かれ、資材の運搬車が走行していたことがわかりました。
運搬車が通った部分は、路肩や丸太の階段の一部が破損しているということです。
県と高野町は文化財保護法に違反するとして、NHKに工事を中止するよう指導しました。
NHKは「必要な許可を得ず作業を行い、貴重な文化財を破損してしまったことを深くお詫びいたします」とコメントしています。
NHKは発注者側なのに、なぜNHKが謝罪するのだろう?謝罪するなら受注した会社ではないかと思ったが、受注したのはNHKの子会社だった。
NHKによると、高野山の中継所の工事を受注した子会社NHKテクノロジーズが11日から、女人道の木製階段の保護のために土囊(どのう)を置いた上で、運搬車で資材を搬入。土囊の設置は文化財の現状変更に当たるが、工事担当者は認識しておらず、この申請をしていなかった。工事中には路肩や階段を一部破損させた。
なんとも情けない話だ。天下の公共放送が、子会社とはいえ世界遺産の扱いを理解していないなどあってはならないことだ。もしかしたら、今回は世界遺産を破損させたことで問題となっているが、普段からこんな雑なことは日常茶飯事なのではないか?と勘ぐってしまう。「NHKは過去の工事も徹底的に検証してみろ」と言いたいところだが、誰かが言ったところで軍艦島映像の件のようにのらりくらりとごまかすだろう。
ネット上では「謝ってすむ話ではありません」「日本人は先祖から引き継いできたものを尊ぶのだ…それが無形でも有形でも。それを破壊したのだ!」「特権階級の意識があるんでしょう」「NHKは何様だ?検証番組を作って放送しろよ」などといった意見があがっている。
2020年にも「世界遺産の高野山参詣道を無断掘削」と報じられ、この時は町が刑事告発をしていた。(参考)
今回は工事中止の指導だけで終わりだろうか?と思ったが、和歌山県教育委員会は「国や町などと協議して原状復旧を図るとともに、法令に基づき厳正に対処する」と述べている。(参考)