政府、ウクライナからの要請でドローンなどの提供を表明 岸防衛相「装備品にはあたらない」
政府は3月に自衛隊の装備品の防弾チョッキやヘルメットを供与したが、今度は防衛省が保有するドローンを提供する調整に入り、同時に有毒物質から身を守る防護服や防護マスクの提供も検討している。
政府はロシアによる侵攻を受けているウクライナを支援するため、同国に対し防衛省が保有するドローンを提供する調整に入った。有毒物質から身を守るための防護衣、防護マスクの提供も検討している。政府が19日午前の自民党の会合で明らかにした。
供与するドローンは、防衛省が研究用として保有しているもの。会合に出席した佐藤正久・党外交部会長は記者団に対し、提供するドローンについて「完全に民生品だ」と説明した。
政府は3月にもウクライナに防弾チョッキやヘルメットなど自衛隊の装備品を供与している。
#防衛省 は、新たに化学兵器等対応用の防護マスク及び防護衣並びにドローンをウクライナ政府に提供することを決定しました。ウクライナ国民による自国を守るための戦いは続いており、我々も引き続き可能な限りの支援を続けていきます。#ウクライナのために pic.twitter.com/aZNGMetojI
— 防衛省・自衛隊 (@ModJapan_jp) April 19, 2022
前回の防弾チョッキ提供をめぐっては、共産党以外の野党も理解を示していた。共産党も田村智子政策委員長が「反対しない」と発言していたが、後に「わが国のウクライナへの支援は非軍事の支援に全力をあげるべきだ。防弾チョッキであっても防衛装備品の供与はわが党が反対してきた武器輸出にあたる。さらに、今回の政府の決定は、紛争当事国への供与になる。わが党として賛成できないということを明確に述べておきたい」「昨日の私の発言については、党内で必要な相談をしないで行ったものであったということも述べておきたい」と述べていた。(参考)
立憲民主党の安住淳議員は「緊急事態だから、殺傷兵器でない限り個人的に理解はできる。問題を指摘する人もいるかもしれないが、(政府は)ぎりぎりやれる部分を探したのだろう」と、前回の提供について語っていたが、防護服と防護マスクは理解を示すだろうが、ドローンとなるとどのような反応を示すのだろうか。
岸信夫防衛相は、新たにウクライナ政府から要請があったことを明かし、ドローンは市販品のため「装備品にはあたらない」と説明。
岸防衛相は会見で「新たにウクライナ政府からの要請があったことを踏まえ、化学兵器等対応用の防護マスクや防護服に加えて、ドローンをウクライナ政府に提供することとした」と述べた。
また、ドローンについて市販品のため「装備品にはあたらない」とした上で、具体的にどのようなドローンを提供するかは「調整中」と述べた。
日本は武器を提供することはできない。その代わり、こういった防護品等の提供で可能な限りウクライナを支えて欲しい。