NHKがまたも字幕改変?ウクライナ女性の発言の字幕に、大学教授「強い違和感を持ちました」
NHKがまたもやらかしたようだ。日本に非難してきたウクライナ人女性の発言を「今は大変だけど平和になるように祈っている」とNHKは訳したが、大学教授によると「私たちの勝利を願います。勝利を。ウクライナに栄光あれ」と話していると指摘。
まったく違う。大学教授は「戦争に勝つことを願う主旨の発言で、平和云々は語っていない。NHKの字幕は意訳ではなく戦闘を悪とする平和主義の意図的な改変だと感じました」と語る。
戦禍を逃れ、日本へと避難してきたウクライナ人女性が、神妙な顔つきで心境を吐露する。
「今は大変だけど平和になるように祈っている」
画面下の字幕にはそう記されている。4月10日、NHKの正午のニュースで、ウクライナのザポリージャから来日した女性が取り上げられた。祖国を憂い、平和を祈るウクライナ人女性のインタビューに映るが、発言内容に疑問の声を上げるのは、ロシアやウクライナ情勢に詳しい青山学院大学名誉教授の袴田茂樹氏だ。
「実際にニュースを見ていて、強い違和感を持ちました。映像中の女性の言葉は、南方アクセントのロシア語とウクライナ語のミックスで、直訳すると『私たちの勝利を願います。勝利を。ウクライナに栄光あれ』と話しています。戦争に勝つことを願う主旨の発言で、平和云々は語っていない。NHKの字幕は意訳ではなく戦闘を悪とする平和主義の意図的な改変だと感じました」
中略
NHKに聞くと「インタビューは、当日取材現場にいた、日本語が分かるウクライナの方にご協力をいただき行ないました。引き続き、発言の内容が的確に伝わるよう努めてまいります」(広報局)とのことだった。前出の袴田氏が語る。
「ロシアの侵攻もウクライナの反撃も戦争は等しく悪だというスタンスなのかもしれませんが、どんな背景があるにせよ女性の発言内容を変えて良い理由にはならない。特に今は情報が錯綜しており、メディアにはロシア情勢を正確に伝えてほしいと願っています」
公共放送のNHKは、先頭に立ってその役割を果たすべきだ。
NHKは去年12月、BS1スペシャルで放送した番組で字幕の改変が指摘され、担当者らが懲戒処分となったばかり。何も反省していない。しかも、上記事を見ると「日本語が分かるウクライナの方にご協力をいただき行ないました」とあり、責任が日本語がわかるウクライナ人にあるとでも言いたいようだ。こういうのを「言い訳」というのだ。
袴田教授が指摘するように、発言者の内容を変えていい理由などどこにもない。こんなことを繰り返すたびにNHKの信用はどんどん落ちていく。受信料ばかり躍起にならず、こういったマスメディアとして初歩的なことを見直すべきだ。