ウクライナ支援の自衛隊機、インドで受け入れ拒否 政府「インドとの調整不足が原因」
非常に残念なニュースだ。
ウクライナ避難民支援のため、支援物資の積み込み拠点となるインドから自衛隊機の受け入れを拒否されたことが報じられた。
政府は21日の自民党の政調審議会で、ウクライナ避難民支援のための自衛隊機派遣計画に関し、人道支援物資の積み込み拠点となるインドから自衛隊機の受け入れを拒否されたと明らかにした。インドとの調整不足が原因としている。計画を修正するため、22日に予定していた閣議決定は見送る方向となった。
輸送は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請で、アラブ首長国連邦(UAE)とインドに備蓄する毛布などを自衛隊機でウクライナの隣国のポーランドとルーマニアに運ぶ計画だった。出席者によると、インドとは事務レベルで同意を得ていたが、20日になって拒否されたという。インドはロシアから武器を調達するなど軍事面での関係が深い。
輸送は国連平和維持活動(PKO)協力法に基づく「人道的な国際救援活動」として実施する予定。政府は4月下旬にも輸送機を出発させる段取りを想定していた。
ブチャの大虐殺を受けてインドもロシアへの態度を変えたかと思ったが、やはりロシアとは切れない関係なのか。
ネット上では日印関係が崩れたと思っている人が多いようだが、そうではなく、インドにとってロシアは重要な軍事的関係にあるからだ。
国連安全保障理事会でのロシアのウクライナ侵攻を非難する決議案でもインドは中国と共に棄権した。インドとしてはロシアを刺激したくない事情があるのだろう。自衛隊機の受け入れもウクライナ支援に関与することでロシアを刺激することになる。我々からすれば裏切られた気分だが、国それぞれの事情を考えれば仕方ないことかもしれない。
政府は調整不足と理由を述べているが、これは政府が猛省すべきだ。インドがブチャでの民間人殺害を非難したことで対露姿勢を硬化したと油断したのかもしれない。
早速計画を練り直し、柔軟に対応していただきたい。