【憲法審査会】憲法9条議論に、立民「自民党の改憲4項目ありきの議論は断固反対」「現在の9条で、日本を守るために何ができるのかをはっきりさせるべきだ」 9条で日本は守れないと国民が理解しているから改憲が望まれているのでは?
衆院憲法審査会で、安全保障問題を中心に議論が行われた。憲法9条への自衛隊明記などが話題となり、立憲民主党の奥野総一郎議員は「自民党の改憲4項目ありきの議論は断固反対」として憲法9条の改正については反対する考えを述べた。
衆議院の憲法審査会が行われ憲法9条への自衛隊明記など、安全保障問題を中心に議論が交わされました。
自民党の新藤義孝議員は、自民党が提唱する憲法9条への自衛隊明記について、「必要最小限度の範囲内でのみ自衛権の行使が許されるという憲法上の制約は全く変わらない」と強調しました。
これに対し、立憲民主党の奥野総一郎議員は「自民党の改憲4項目ありきの議論は断固反対」として憲法9条の改正については反対する考えを述べました。
一方、日本維新の会の足立康史議員は「何を差し置いても議論すべき項目の一つは憲法9条」「自民党とがっぷり四つに組んで憲法論議をリードしていく」などと述べ、自衛隊を明記するなどの憲法改正を行うべきだと主張しました。
各党の主張が次の通り。
自民党の新藤義孝議員「専守防衛の理念のもと、自衛力を担う自衛隊を明確に位置づけるものであり、自衛権の範囲など防衛力の質が変わるものではない。自衛隊の法的位置づけは、現在の解釈と全く同じだ」
立憲民主党の奥野総一郎議員「憲法改正の議論よりもまず、現在の9条で、日本を守るために何ができるのかをはっきりさせるべきだ。自民党の案では、自衛隊に何ができるのかなどが書かれておらず、かえって混乱を招くだけではないか」
日本維新の会の足立康史議員「ウクライナ戦争が勃発し、現行憲法の問題点に多くの国民が気付くこととなった今、何を差し置いても議論すべき項目の1つは9条だ」
公明党の北側一雄議員「自衛隊の明記だけを理由に憲法9条を改正するのではなく、最大の実力組織である自衛隊に対する民主的な統制の在り方を、憲法上書き込んでいくことが、民主主義や国民主権の観点からふさわしい」
国民民主党の玉木雄一郎代表「自衛隊は必要最小限度の実力組織と解釈されてきたが、憲法9条の改正でこの必要最小限という制約をなくすのか明確にすべきだ」
共産党の赤嶺政賢議員「ウクライナ危機に便乗し、憲法9条を変えるべきだという主張は、平和憲法の根幹を覆すことで絶対に認められない。今、必要なのは外交努力だ」
立憲民主党は「自民党の改憲4項目ありきの議論は断固反対」と訴えているが、これこそ反対ありきの意見だろう。新藤氏は自衛隊という組織が変わるものではなく、「自衛力を担う自衛隊を明確に位置づけるもの」と述べている。これは自衛隊を違憲組織と訴える勢力があるため、国土防衛以外にも、災害派遣など様々な活動で日本を支えている自衛隊が違憲状態であってはならないので憲法に明記すべきというのがこの件の本筋だ。
「自民党の案では、自衛隊に何ができるのかなどが書かれておらず、かえって混乱を招く」というが、全然混乱などしない。問題をややこしくしているのは立憲民主党ではないだろうか。憲法9条の「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」は触らないためこれまで通り日本は他国を侵略することはない。
また、「現在の9条で、日本を守るために何ができるのかをはっきりさせるべき」というが、憲法9条では日本は守れない。これは多くの国民が理解している。だから世論調査を見ても憲法改正が望まれているのだ。