豪、9年ぶりの政権交代へ かつては親中と言われた労働党、どうなる対中姿勢
オーストラリアで総選挙が行われ、最大野党の労働党が勝利した。9年ぶりの政権交代になるようだ。
オーストラリアで21日、総選挙の投開票が行われ、最大野党・労働党が、スコット・モリソン首相(54)率いる与党連合(自由党、国民党)を破り、約9年ぶりの政権交代が実現する見通しとなった。豪公共放送ABCが報じた。
労働党は中国に融和的であると言われていて、政権交代後のクアッドなどの影響が心配されるが、選挙戦でモリソン政権の対中強硬姿勢を支持する考えを示していて、クアッド首脳会合にも参加するようだ。
労働党のアルバニージー党首が次の首相に選出される見通しで、24日に東京で開催される日米とオーストラリア・インドの4カ国の枠組み「クアッド」の首脳会合にも参加するとみられている。
今後は、関係悪化が続く中国に、新政権がどう対峙していくかが焦点となるが、アルバニージー氏は選挙戦で、現在のモリソン政権の対中国強硬姿勢を支持する方針を示している。
それでも「親中派」という見方はぬぐい切れないと時事通信は報じる。
日本が米国との同盟関係に準ずる「準同盟国」と位置付ける豪州は、クアッドにも参加。労働党は、対米関係を重視する現政権の外交政策への支持を表明しているが、「親中派」との見方も根強い。対中国で日米などとの足並みに影響を与える可能性がある。
動向を見守るのではなく、日本の外務省は新政権にも積極的な外交を行い、現状の変更がないように訴え続けなければならない。