熱海土石流災害、静岡県が「組織的な対応の失敗」を認めるも、それを語ったのは副知事。川勝知事が記者会見で語るべきだったのでは???
昨年発生した静岡県熱海市の土石流災害。その災害発生に至るまでの検証を第三者委員会が行っていた。その最終報告書について静岡県の難波副知事が、静岡県の責任を認めた。
県の対応が失敗だったと認めたことは大いに評価したい。しかし、だ。気になるのは記者会見を行ったのが川勝知事ではなく、難波副知事であったと言うことだ。
土石流災害担当は難波副知事だったが、県の責任を認めるなら、川勝知事が記者会見で発言するべきだ。更に記者会見が行われたのは17日。この17日をもって難波副知事は副知事を退任するのだ。そして、こうしたことも鑑みるとこれは知事が説明するのが当たり前だ。
退任する副知事ではなく、知事の言葉を静岡県民は望んでいるはずだ。
土石流災害の責任を全面的に認めた副知事!!
難波副知事は土石流災害担当として、災害発生から対応に当たってきた。土石流災害の原因になった不適切な盛り土の造成について、第三者委員会がまとめた報告書について難波副知事が記者会見で言及した。
静岡県熱海市で起きた土石流災害について当時の行政対応は失敗だったとした第三者委員会の最終報告書に対し、難波副知事は「反論はなく深く反省する」と県の責任を認めました。
去年7月の土石流災害では起点にあった不適切な盛り土の造成をめぐり、県の第三者委員会は最終報告書で「当時の県や熱海市の対応は失敗だった」と結論づけました。
難波副知事 「反論はありません。組織的な対応の失敗だったと思っています。(Q.全面的に受け入れるか)そうです」
難波副知事は報告書の内容に反論はなく、当時の行政対応が不十分だったとして県の責任を認めました。
(昨年10月の会見の様子 出典 ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)
行政側の責任を認めた難波副知事の姿勢は評価に値する。それも第三者委員会の報告書について「反論はありません」とまで記者会見で語っているのだ。
この問題を担当していたのは難波副知事だが、この記者会見が行われた17日は、難波副知事にとって、副知事の任期の最終日だった。
難波喬司副知事(65)が17日、2期目の任期満了を迎え、退任した。18日付で一般職任期付職員の県理事として県に採用され、引き続きリニア中央新幹線と熱海市土石流災害の二つの県政課題を担当する。
(中略)
川勝平太知事は12日の定例記者会見で、リニアと土石流については副知事と同じ権限を持つと説明し、「退任後も実績豊富な経験、見識をいかんなく発揮してほしい」と述べた。県理事の任期は1年。後任の副知事人事は未定で、当面、県職員出身の出野勉副知事(69)の1人体制となる。
難波副知事は、今後は理事としてこの問題について引き続き担当するとのことだ。だが、報告書を全面的に受け入れるなら、川勝知事が出てくるべきではなかったのか。
静岡県の行政のトップは言わずもがな川勝知事だ。リニアについては威勢の良いことをいって工事を止めているが、責任を問われる場面には出て来たくないのであろうか。
多くの県民は、川勝知事の言葉を待っているはずだ。今年度予算は川勝知事側が提出した予算案ではなく、まさかの修正案が可決された川勝県政。信頼を取り戻す為にも、副知事の発言に留めるのではなく、川勝知事の口から責任について全面的に認めていただきたい。