立民、泉代表「提案路線」に自信も、党幹部は「水彩絵の具が紙の上にふわーっと広がるようだ」
脱批判路線を訴える立憲民主党の泉健太代表が、東京都内の講演で自身が掲げる「提案路線」に自信を示したという。
立憲民主党の泉健太代表は30日、東京都内で講演し、自身が掲げる「提案路線」に自信を示した。
党として物価高対策や安全保障分野で政策提案していると訴え、「必要なのは地に足を着けた政治勢力だ。この路線でいけば間違いなく共感できる仲間の野党は増えていく」と述べた。
また、党独自に世論調査を行っているとして「25%近く立民の支持率がある県もあるし、10%台はほぼどの都道府県でもある」と説明。報道各社の世論調査で立民支持率は1桁に低迷しているが、「悲観ばかりするものではない」と語った。
泉氏個人はどうかわからないが、ずっと批判路線を歩んできたメンバーはそう簡単に脱批判ができるとは到底思わない。
それに泉氏の提案路線というのも、現段階ではいささか疑問だ。産経新聞は次のように報じている。
日本を取り巻く安保環境が厳しさを増す中、防衛費のあり方に関しては野党でも議論が活発になっている。日本維新の会は国内総生産(GDP)比2%という数値目標を掲げ、国民民主党も「必要な防衛費を増やす」と積極的だ。
泉氏も防衛費が増えることは「肯定する」との立場だが、「真に必要なものを精査し、積み上げた」結果である点も強調する。敵基地攻撃能力の保有に関しては「どういうことを想定しているのか定かではない」と煮え切らない。
参院選に向けて野党間の戦いも熱を帯びる中、対決型とも政策提案型とも腰が定まらない立民の路線に関して、同党幹部は「水彩絵の具が紙の上にふわーっと広がるようだ」と語った。
党内からも腰が定まっていないように見られているのだ。これでは泉氏がいくら訴えていても有権者の理解が得られるはずもない。
また、党独自に世論調査を行っているとして、メディアの世論調査とは違うことをアピールしていたが、枝野氏が衆院選前に同じことをして「メディアの世論調査に出ていない要素を分析しないといけない。われわれは一つの小選挙区で1000サンプルくらいの調査をし、十分に政権が代わる可能性があるという結果が手元にある」と強調したしていた(参考)。しかし、結果は惨敗だ。
おそらく今回も外向きというより、党内へ奮起を促すために発信したのだと思う。