【東京都の太陽光パネル設置義務化】都議会「多くの反対の声が寄せられている」⇒小池知事「個人が設置の有無を選択できる弾力的な仕組みを前提に検討を進める」⇒ネット「選択できる義務って何さ？」
東京都の太陽光パネル設置義務化をめぐり、都議会議員から慎重な意見が出始めた。
東京都ではパブリックコメントを募っているが、余程反対意見が多かったのだろう、都議会本会議では「多くの反対の声が寄せられている」などと訴える議員もいるそうで、慎重に都民の意見を聞くように求める声が相次いだことを東京新聞が報じた。
ＳＮＳでは、有識者らをはじめ、一般人までも異を唱えており、メディアでもタレントの石原良純さんが番組で「まったく意味がない。戸建てに建てるのは。東京の住宅事情で日あたりを見てても、１日何時間か当たらないと意味がない」と述べた。同じくタレントのほんこんさんも自身のユーチューブ番組で「あとのこと考えてるか？ 推奨はしない。個人で決めさせぇ！」と述べていた。
こういった世論の反応を都議たちは察知し、議会で慎重な姿勢を示したとみられる。
これに対し、小池百合子都知事は「個人が設置の有無を選択できる弾力的な仕組みを前提に、さらに具体的な検討を進める」と答弁した。
一戸建て住宅を含む新築建築物に太陽光発電のパネルの設置を義務付ける条例改正案の制定を都が検討していることについて、七日、八日の都議会本会議では、議員から「多くの反対の声が寄せられている」などとして、慎重に都民の意見を聞くように求める声が相次いだ。
都が検討する案によると、一戸建てなど中小規模の建物では、建築主ではなく、中小規模の建物の供給量が都内で年間二万平方メートル以上の住宅メーカーに義務が課される。
ただ一般住宅で太陽光パネルを設置するには百万円程度が必要。公明の谷村孝彦氏は「都民からは住宅価格に設置費用が上乗せされてしまえば、都民への義務化と変わらないとの指摘が出ている」とし、「最終的に都民に（パネル設置の）選択の余地を残すなど、納得と理解を得るべきだ」と求めた。
これに対し、小池百合子知事は「個人が設置の有無を選択できる弾力的な仕組みを前提に、さらに具体的な検討を進める」と答弁。新築住宅を建てる人の一部がパネル設置をしないケースでも住宅メーカーが義務を達成できるような制度を検討するとした。
また都民ファーストの会の荒木千陽氏が義務化に伴い、都民や事業者への支援を求めたのに対し、知事は「専門家の意見をうかがい必要な支援につなげていく」と新たな支援策を検討する考えを示した。
自民の柴崎幹男氏は「ＳＮＳなどで非常に多くの反対の声が寄せられている。（六月二十四日まで実施する）パブリックコメントの結果を踏まえ、義務化には慎重な議論をさらに重ねるべきだ」と指摘。栗岡祥一環境局長は「都民や事業者から出ているさまざまな課題に丁寧に答え、理解と共感を得られる制度と支援策を検討する」と述べた。
個人が設置の有無を選択できるのなら、もはや「義務化」とは言えないのでは？今からでも「太陽光パネル設置推進事業」にしてはどうだろうか。早速ブレだした小池知事と世論にうろたえる都議会。早くから反対を訴えていた上田令子都議は次のようツイッターに投稿。
小池知事も都議会も、都民を見くびり強行路線を押し切ろうとしていましたが、ひとりひとりの声が続々と地元都議に届き、都庁に届き、参議院選挙を前に狼狽しはじめております
あと一息！パブコメのご協力をお願いいたしますm(__)m#太陽光パネル義務化反対 https://t.co/kX7AJu3PBb— 上田令子(東京都議/自由を守る会代表） (@uedareiko) June 8, 2022
ほかに都議たちは世論の反応を確認するために沈黙していたのだろうか？まぁそんなものなのかもしれない。
反対でも賛成でも、意見がある方はパブリックコメントに。⇒『パブリックコメント（東京都環境確保条例の改正について（中間のまとめ））』
今回の小池知事と都議会の反応にＳＮＳでは「着地点がまったくイメージできない」「別にわざわざ新しいことに手を出さなくていいからさ、まずは選挙時に掲げた公約１つだけでも実現しよう」「パブリックコメントで反対すれば馬鹿な計画を潰せます」「選択できる義務って何さ？」などといった意見があがっている。
東京都は大手住宅メーカー約50社に対して、販売戸数の85％以上に太陽光パネルの設置を義務付けるよう検討しているが、個人に設置の選択の幅を持たせて住宅メーカーが義務を達成できるのだろうか。新築を立てる人が設置を拒否するケースが相次いだ場合、住宅メーカーが設置費用を負担してでも義務を達成しようとする姿が目に浮かぶ。「新築住宅を建てる人の一部がパネル設置をしないケースでも住宅メーカーが義務を達成できるような制度を検討」とあるが、どんなものか見ものだ。