日本が国連安保理の非常任理事国に選出される 史上最多の12回目 林外相「安保理改革に積極的に取り組む」石兼国連大使「安保理運営の更なる改善に努めたい」
国連は9日の総会で、安全保障理事会(15カ国)の非常任理事国に日本、エクアドル、マルタ、モザンビーク、スイスの5カ国を選出した。2023年1月1日から2年間の任期。
選出には国連総会(193カ国)の投票国の3分の2の支持が必要となるが、日本の獲得票は184票だった。
産経新聞は、日本は史上最多となる12回目の選出で、機能不全が指摘される安保理において常任理事国入りを目指す日本の国際平和と安全への貢献が試されると報じた。
国連総会(193カ国)は9日、安全保障理事会(15カ国)の非常任理事国(任期2023~24年)5カ国を改選するための投票を行い、アジア・太平洋枠から日本が選出された。日本は16~17年以来、史上最多となる12回目の選出。ロシアによるウクライナ侵攻などへの対応で機能不全が指摘される安保理で、常任理事国入りを目指す日本の国際平和と安全への貢献が試される。
日本は投票で、15年の前回投票などと同様に、日本として最多タイの184票を得た。国連憲章に反するウクライナ侵攻や、安保理決議違反の北朝鮮による弾道ミサイル発射に関し「法の支配に基づく国際秩序」の維持と強化を掲げて対処する姿勢を打ち出した日本外交が幅広く支持されていることが反映された。
これを受け、林外相は「安保理改革に積極的に取り組む」と談話を発表し、意欲を示した。
国連安全保障理事会の非常任理事国に日本が選出されたのを受け、林芳正外相は10日未明、「各国との緊密な意思疎通と丁寧な対話を通じ、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化を目指していく」との談話を発表した。
談話では、安保理が国際社会の平和と安全の維持に主要な責任を負っているとしつつ、常任理事国のロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の核・ミサイル開発に触れて「安保理は有効に機能できていない現状にあり、試練の時とも言える」と指摘。日本として安保理が「所期の役割」を果たせるよう協力していく考えを示したうえで、「安保理改革にも引き続き積極的に取り組み、国連での議論をリードしていくとともに、総会を含む国連全体の機能強化に努めていく」と強調した。
また、石兼公博国連大使もスイスなどとも協力して「安保理運営の更なる改善に努めたい」と語った。(参考)
体制が第二次世界大戦後のままの国連が機能不全に陥っている今、日本がどのようにリーダーシップを発揮し、国連改革に取り組むか期待したい。