自民・高市政調会長「経済安保推進法にスパイ防止法に近いものを取り組むことが大事」 公安調査庁「経済安全保障の観点から技術流出等に対する懸念が高まっている」
自民党の高市早苗政調会長は12日、フジテレビの『日曜報道 THE PRIME』に出演し、経済安全保障推進法にスパイ防止法に近いものを取り組むのが大事だと訴えた。
番組では防衛費増額についての財源について議論されたが、その中でサイバー分野になると、高市氏は「サイバーに至っては法改正まで必要になってくる分野だ」と訴えていた。
続いて経済安保の議論になると高市氏は次の課題は「セキュリティクリアランス」だと述べた。
松山キャスター:
経済安全保障推進法が5月に成立した。これにより軍事転用される恐れがある技術特許を非公開にできるなど進展した。経済安全保障はこの法律で充分に機能するのか。高市氏:
まずは第一弾ができたということだ。第二弾、残る課題は「セキュリティクリアランス」だ。これは海外から入ってくる研究者も含めてしっかりとクリアランスをかけるということ。人権侵害だとか、さまざまな論争が起こるところであるため、今国会では省かれたが、しっかりやらないと諸外国との民間同士の共同研究もできないという声も上がっている。下手したら日本が欧米のサプライチェーンから外される可能性も出てくるので、セキュリティクリアランスをやらなければいけないと思っている。それから、いわゆるスパイ防止法と、これまで呼ばれてきたけれども、経済安全保障推進法の中にそれに近いものをしっかりと入れ込んでいくことが大事だ。中国の国家情報法、会社法、中国共産党規約などを見ると、中国人民は中国の国家情報工作に協力する義務がある。今の不正競争防止法では、特に学術機関で行われている研究に関しては対応できない。まだ商品化が決まっていないから営業秘密にならない。国家に忠誠を誓って日本の技術を持ちだすことも図利加害目的とは言い切れない。そういう意味ではもう情報はだだ漏れだ。日本が強いスクラムジェットエンジンや流体力学、特に耐熱材料の技術などが中国で極超音速兵器など、私たちを狙うかもしれない兵器の開発に使われている。この状況を何とか早く止めなければいけない。
ついにスパイ防止法に触れた。いつかいつかと思っていたが、やっぱり高市氏が触れたか。
公安調査庁の経済安全保障特集ページには「経済安全保障の観点から技術流出等に対する懸念が高まっている」と記されている。
現在、経済分野を含む様々な領域における米中の対立が激しさを増す中、我が国においても、経済安全保障の観点から技術流出等に対する懸念が高まっています。こうした情勢下、先端技術を有する我が国企業、大学、研究機関等が多数存在しており、経済安全保障は重要な課題となっています。技術・データの流出が、我が国企業等が有する優位性や我が国の安全保障に与える影響は大きく、これを未然に防止することが何よりも重要です。また、外国資本等による重要施設等周辺での不動産取得に対する政府の関心も高まりを見せています。
引用元 経済安全保障特集ページ
公安調査庁も技術流出を未然に防ぐことが重要だとしている。つまり、高市氏と同じくスパイ防止法に近いものが必要だと訴えている。今のままでは、今後、友好国の共同研究などにおいて相手国に懸念を持たれ、高市氏が述べるように欧米のサプライチェーンから外される可能性も出てくる。
高市氏には、まずは自民党内で経済安全保障推進法とスパイ防止法がセットになるようまとめて頂きたい。