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核兵器禁止条約「核保有国が加盟した場合、10年以内に廃棄」⇒核保有国が参加しなければ意味がないのに遠ざけてどうするの?




核兵器禁止条約の第1回締約国会議がウイーンで開催され、「核保有国が核兵器を保有したまま核禁条約に加盟した場合、10年以内に核兵器を廃棄しなければならない」と決定したようだ。

こんな条件で核保有国が参加するわけがない。

 ウィーンで開催中の核兵器禁止条約の第1回締約国会議は22日、核保有国が核兵器を保有したまま核禁条約に加盟した場合、10年以内に核兵器を廃棄しなければならないと決めた。自国内に他国の核兵器を配備している場合は撤去期限を90日とすることでも合意した。

核禁条約は核兵器の保有を禁止しているが、米露などの核保有国は参加していない。このため現時点では核廃絶に向けた実効性はない。廃棄期限の決定は、核保有国や他国の核兵器を配備している国が将来的に加盟する場合に備えた措置で、今回の議題の一つだった。会議では、予期せぬ事態が起きた場合は廃棄期限を最大5年延長することも決めた。

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、世界では米露英仏中、イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮の9カ国が推計1万2705発(今年1月時点)の核弾頭を持っている。最多はロシアで推定5977発、米国が推定5428発。

また、北大西洋条約機構(NATO)に加盟するドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア、トルコの5カ国は、米国の核兵器を国内に配備し、有事の際に共同運用する「核共有」に参加している。

引用元 核保有国が加盟した場合「10年以内に廃棄」 核禁条約会議で決定

また、唯一の被爆国の日本が参加しないことに議長を務めるクメント氏は遺憾を表明。

 オーストリアで開かれている核兵器禁止条約の初めての締約国会議への参加を見送った日本政府に対し、現地では「参加すべきだ」との声が上がりました。

核兵器禁止条約の会議で議長を務めるクメント氏は21日、日本の不参加について「遺憾だ」としたうえで「核軍縮を支持する国は、核について話し合う多国間の集まりに参加すべきだ」と日本にも出席を求めました。

引用元 核兵器禁止条約の初会議で議長「日本も参加を」

そもそも、なぜ日本は核兵器禁止条約に参加しないのか。

岸田総理は、核兵器禁止条約について、これまで次のように説明している。
「核兵器のない世界という大きな目標に向け重要な条約だが、核兵器国は1国たりとも参加していない」

条約には、アメリカやロシア、中国など、核兵器を保有する国々が参加していない。
そこに日本だけ加わって議論をしても、実際に核廃絶にはつながらないというのだ。

引用元 核兵器禁止条約になぜ日本不参加? 危機感強める被爆者たち

核兵器を持たない国だけが集まっても意味がないということだ。しかも、今回の決定で保有国と非保有国の溝はさらに深まってしまったのではないだろうか。

しかも、ドイツなどは核廃絶を訴えながらも「核共有」には参加している。日本政府はこうした矛盾も参加しない理由に挙げている。

我が国は、核兵器禁止条約が掲げる核兵器廃絶という目標は共有している。一方、同条約は、その交渉に当たりいずれの核兵器国等の参加も得られず、また、現実の国際社会における安全保障の観点を踏まえて作成されたものとはいえないことから、核兵器国のみならず、核の脅威にさらされている非核兵器国からも支持を得られていない。現実の国際社会においては、いまだ核戦力を含む大規模な軍事力が存在しており、そのような厳しい安全保障環境の下で我が国として安全保障に万全を期するためには、核を含む米国の抑止力に依存することが必要である。我が国としては、核兵器のない世界の実現に向けて、核兵器の非人道性と安全保障の二つの観点を考慮しながら、現実的かつ実践的な核軍縮のための措置を着実に積み上げていくことが重要であると考えている。

引用元 衆議院議員今井雅人君提出核兵器禁止条約への日本の参加に関する質問に対する答弁書

核兵器廃絶を達成するには、核保有国が同じテーブルに着かなくてはならないのに、遠ざけてどうするのだろうか。







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