中国、外務省の抗議も無視し、石垣沖で試掘か 公船を盾にやりたい放題、海上保安庁は立ち入り検査や中止命令の措置が出来ず
6月上旬に沖縄県石垣島沖の日本の排他的経済水域で中国の調査活動が確認され、25日に試掘のような作業が行われていることが確認された。
調査時の時も外務省は3日連続で中国に抗議したが、中国は無視している。
6月上旬に沖縄県・石垣島北方の排他的経済水域(EEZ)内で活動が確認された中国の海洋調査船「東方紅3」が海底の堆積物を試掘した疑いが強いことが25日、政府関係者への取材で分かった。現場周辺は豊富な鉱物資源の可能性が指摘され、中国側は平成30年にも調査活動を実施。中国の強い関心がうかがえ、海底資源サンプルを分析するなどして海洋領域の拡大に向けた動きを一層強めるとみられている。
日本の周辺海域で資源開発の権利を狙う中国側は近年、国家ぐるみで無許可調査の結果などを学術論文として次々と発表。論文で「科学的知見」を示して日本側の主張に反論する動きを見せている。今回も同様の手法を取る可能性があり、「科学の力による現状変更の試み」への対策が急務となっている。
中略
日中間では、日中中間線を越えた相手国側での科学的調査について、外交ルートで事前通報する制度があるが、中国側に順守姿勢はなく形骸化している。今回、中国が実施したとみられる資源探査は科学的調査の枠を超え、日本の国内資源の適正管理に直結する問題といえる。
資源探査は中国を念頭にした24年の鉱業法改正で規制対象となった。目的にかかわらず経済産業相の許可が必要になり、海上保安庁は立ち入り検査や中止命令の措置が可能になった。だが、調査船が国連海洋法条約で管轄権免除の対象となる公船に当たるため、現場の巡視船は権限を行使できないというジレンマがある。
現状で外交ルートでの抗議が取り得る最大限の対応だが、中国側が聞き入れる気配はない。詳細な調査内容を現場で認定できない状態が長年にわたって継続しており、政府関係者は「中国の暴挙に対抗する新たなカードの必要性に迫られている」との認識を示した。
公船を盾にやりたい放題の中国。海上保安庁は立ち入り検査や中止命令の措置が出来ない。これぞルールの悪用の模範だ。
「現状で外交ルートでの抗議が取り得る最大限の対応だが、中国側が聞き入れる気配はない」とあるが、聞き入れるわけがない。聞き入れる国であれば最初からこんな暴挙はしない。二国間で解決できないなら国際社会に訴えるしかない。もっと国際的な大事にして、国連に取り上げられるくらいにしなければ中国はやめないだろう。それでも「内政干渉だ」と言って中国はやめないかもしれないが、世界の目を向けさせるように働きかけるべきだ。
石垣市の中山市長は「認められません!」とツイッターで訴えた。
認められません!
<独自>中国、石垣沖で試掘か 日本の資源管理侵害(産経新聞) https://t.co/pNf83jiUMs
— 中山よしたか(石垣市長) (@yoshitaka_ISG) June 25, 2022
国際政治経済学で東京大学教授の鈴木一人氏は次のように解説。
EEZは文字通り「排他的」であるが「経済水域」なので、科学的な調査は認められる。しかし、それが科学調査を越えるようなものであれば問題。中国がこうやって既成事実を積み重ねて、いつの間にか自らの主張をすり替えていくのはいつものパターン。 #NewsPicks https://t.co/BLIUh6AwuD
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) June 26, 2022
ジャーナリストの門田隆将氏は「中国の傍若無人に限りなし」とツイート。
中国が今度は石垣島北方のEEZ内で海底堆積物を試掘し“日本の資源管理侵害”と産経スクープ。豊富な鉱物資源を狙った中国の横暴がまたも。近年、中国は国家ぐるみで無許可調査の結果を学術論文として発表している、と。科学分野も“力による現状変更”の中国。傍若無人に限りなし https://t.co/A1MOOntzkA
— 門田隆将 (@KadotaRyusho) June 26, 2022
中国は「アジア太平洋はNATOの管轄圏ではない」(参考)と、日本などアジア太平洋国がNATO首脳会議に参加することをけん制するが、こんなことを続けていればロシアと同じく世界の脅威と見られても仕方ないことだ。
中国への非難抗議は当然だが、日本政府も、武力や暴力を使わない紛争ととらえ対応しないと取り返しのつかないことになると心得ることだ。