岸防衛相、中国の批判に「決して軍事大国にならない」
令和4年版防衛白書に記載した防衛予算増額や「反撃能力」の保有検討についての中国からの批判に対し、岸防衛相が反論した。
中国は「日本は平和主義や専守防衛の道から離れている」と批判したが、岸防衛相は「日本はこれまで縷々(るる)説明を尽くしてきている。決して軍事大国にならないことも十分に説明している」と、きっぱりと反論した。
岸信夫防衛相は26日の記者会見で、令和4年版防衛白書に記載した防衛予算増額や「反撃能力」の保有検討について、中国側が「日本は平和主義や専守防衛の道から離れている」と批判したことに対し、「日本はこれまで縷々(るる)説明を尽くしてきている。決して軍事大国にならないことも十分に説明している」と反論した。
岸氏は、防衛白書についての中国側の抗議に対し、「(防衛白書は)中国の軍事行動を含めたわが国の安全保障環境について客観的な記述、分析を掲載している」と反論。その上で「中国との間で各種交流、協力や対話を行うと同時に中国が地域の平和と安定のために建設的役割を果たし、国際的な行動規範を順守するとともに国防政策や軍事力に関わる透明性を向上するように促していく」と述べた。
防衛白書について中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は22日の記者会見で、「中国の国防政策や正常な軍事力発展、正当な海洋活動を非難、中傷し、いわゆる『中国の脅威』を誇張した」と反発した。
また、韓国が不法占拠する竹島についての防衛白書での記述に関し、韓国側が同日、「不当な領有権主張を繰り返した」と批判したことについて、岸氏は「竹島は歴史的事実と照らしても、かつ国際法上も明らかにわが国固有の領土であり、韓国側の申し入れは受け入れられない」と反論した。
個人的には防衛費や装備だけを見て軍事大国と言われるのなら軍事大国と言われてもいいと思っている。問題はその力をどう使うかだ。自国防衛に徹するなら非難される筋合いはない。岸防衛相の「決して軍事大国にならない」とはそういうことだと認識している。問題はその力をどう使うかだ、軍事力を盾に中国がやっているように周辺国を威嚇するなら非難されるのも仕方がない。しかし、日本の取る道はあくまでも反撃能力だ。日本や日本の友好国にちょっかいを出しさえしなければ軍事力が発揮されることはない。
「中国の国防政策や正常な軍事力発展」と、中国の軍事力増強を正当なものと主張して、日本に対しては「平和を脅かす」と言うのはあまりにも一方的なのではないだろうか。この辺は政府もしっかりと反論すべきだ。