韓国外務省が韓国最高裁に外交努力をアピールして現金化先延ばしを図る
徴用工解決へ「責任感を持って努力する」と述べていた韓国の朴振外相だが、これと言った解決策はまだ見つかっていない。しかし、現金化措置のタイムリミットは着々と近づいている。そんな中、韓国外務省は韓国最高裁に外交努力をしているから待ってくれと意見書を提出した。解決策が見つからず、とりあえず先延ばしを図っただけだ。
韓国外務省の関係者は30日、日韓関係を冷え込ませる最大の原因となっている元徴用工訴訟をめぐり、韓国最高裁(大法院)に「意見書」を提出したことを明らかにした。提出は26日付で、「韓日両国の共同利益に合致する合理的な解決案を模索している。多角的な外交努力を傾けている」などと強調している。
韓国最高裁は2018年、日本の植民地だった第二次世界大戦中、日本企業で働かされた韓国人の元徴用工らへの賠償を命じた判決を確定。敗訴した日本企業が韓国国内に持つ資産を売って、原告への賠償に充てる「現金化」の手続きが進む。最高裁が敗訴した三菱重工業の特許権や商標権の売却命令を8~9月にも最終確定させるとの見方が出ている。
意見書は「日本との外交協議を続けている」と説明。さらに「官民協議会などを通じて、原告らをはじめとする国内各層の意見を収集している」と韓国国内での意見取りまとめにも乗り出していると強調した。韓国政府の努力姿勢をアピールすることで、最高裁判断の先延ばしを図ったとみられる。
日本政府は「1965年の日韓請求権協定で、元徴用工も含めた請求権問題は解決済み」との立場。日本企業に実質的な被害が出た場合は報復措置に乗り出す構えだ。
韓国最高裁に外交努力をアピールしている韓国外務省だが、つい最近も朴外相が努力をアピールしていた。
韓国の朴振外相はいわゆる元徴用工をめぐる問題について、日本側が韓国政府の努力に「誠意を持って対応してこそ解決できる」と歩み寄りを求めました。
朴外相は27日の会見で、先週、外相会談などで日本を訪れたことについて、「新しい韓日関係のためのシャトル外交の出発点になることを望む」と期待感を示しました。
元徴用工をめぐる問題については、韓国政府は「日本企業の資産が現金化される前に望ましい解決策を模索するため努力している」と強調しました。
韓国・朴振外相「(重要なことは)日本側もこのような努力に誠意を持って対応してこそ問題はうまく解決できるということだ」
さて、もし韓国の努力が実らず、現金化が行われれば、日本は当然報復措置に出ると思うのだが、韓国は「韓国はこんなに努力をしたのに、日本は誠意をもって対応しなかった」とアピールしてくることが考えられる。そして、それを欧米に向けて発信することは想像に難くない。日本政府はそういったことを見越して接しなければならない。この問題は日本の手から離れ、韓国の国内問題であることをしっかり理解させなければいけない。後は、丁寧に無視をしつつ、適度な距離を保っていくことが必要だと思う。