共同通信「制服組自衛官、防衛予算を査定 文民統制に影響懸念も」に、自民佐藤氏が反論「文官統制と文民統制とは違う。自衛官と事務官が連携しない方が日本を守る予算にならない」
共同通信が報じた「制服組自衛官、防衛予算を査定 文民統制に影響懸念も」が話題となっている。
まずは記事をご覧いただきたい。
防衛省の2023年度予算要求を決定する省内の調整で、制服組自衛官を中心とする統合幕僚監部(統幕)が査定側に加わったことが8日、政府関係者への取材で分かった。これまで省内の査定では、背広組の防衛官僚(文官)が中心の内部部局(内局)で陸海空自衛隊の要望を精査し、財務省への要求を決めていた。
省内査定で、背広組のチェック機能が低下し、制服組の軍事的意見に偏重する恐れがある。安全保障環境の厳しさを理由に従来より制服組の意見が強まって権限強化が拡大すれば、旧軍の暴走を許した戦前の反省に立つ、政治が軍事に優越するとの「文民統制」の原則が脅かされる懸念もある。
この記事に対して、自民党の佐藤正久外交部会会長が反論。
【文官統制と文民統制とは違う。防衛省の予算要求は自衛官と事務官が協力して行わないと→制服組自衛官、防衛予算を査定 文民統制に影響懸念も】
防衛省はそもそも査定側ではなく要求側だ。運用組織の自衛隊が、自衛官と事務官が連携しない方が日本を守る予算にならない https://t.co/as330BakoV— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) August 8, 2022
渡部篤元衆議院議員も次のようにツイート。
防衛省では、会計課長は財務省からの出向者だ。出向者は親元の財務省を見ての省庁を見て仕事をするので制服組の意見は尊重されなかった。防衛費GDP2%ならば、陸海空自衛隊の意見は尊重すべきである。
— 渡部篤 (@watanabeatushi) August 8, 2022
群馬県立女子大学教授の野口和彦氏は「背広組に軍事をわかる人が、どれだけいるか」
この記事を書いた記者に聞きたい。背広組に軍事をわかる人が、どれだけいるか。なぜ軍事のプロである制服組より背広組の判断が妥当なのか。省内で制服を査定に加えるだけで、文民統制は崩壊する根拠とシナリオは何か。なぜ、防衛省査定後に文民のチェックが働かなくなるのか。 https://t.co/lYHpaytuPk
— 野口和彦(Kazuhiko Noguchi) (@kazzubc) August 8, 2022
ほかにも「今まで背広組だけでやってたことのほうが驚き」「意図的にミスリードを誘っている」「文民統制ってわかっていますか?」「この記事書いた方は、幕読を知らないか、制服組への悪意ありますよね」といった声があがっていた。
予算要求書を作成するのに、制服組が加わると防衛費が膨れ上がると共同通信は言いたいのだろうが、佐藤氏が述べるように、自衛官と事務官が連携して要求する予算書を作成するのは当たり前なことであり、現実的な要求になるだろう。何の問題もない。現場を知らない事務官だけで要求する予算を決める方がよほど危ない。
「これまで省内の査定では、背広組の防衛官僚(文官)が中心の内部部局(内局)で陸海空自衛隊の要望を精査し、財務省への要求を決めていた」とあるが、制服組が加わることによりこれが改善されたと思う方が自然だ。
あたかも問題があるかのごとく、問題ないことを問題視するのがマスコミだ。今回の報道も、改善されたことを悪意で捻じ曲げられたとしか思えない。そして、そういった共同通信の偏向報道を地方紙などがそのまま引用し、全国に流れる。
制服組自衛官、防衛予算を査定 文民統制に影響懸念も – 東京新聞
制服組自衛官、防衛予算を査定 – 福井新聞社
制服組自衛官、防衛予算を査定 文民統制に影響懸念も | 高知新聞
制服組自衛官、防衛予算を査定 | 中国新聞デジタル
いい加減に地方紙も共同通信の内容を鵜呑みにして報じるのはやめた方がいいと思う。といっても、同じ穴の狢だったら喜んで報じるだろうが。