安倍元総理、民主党政権下の尖閣諸島の警備警戒方針を修正「直ちに本来のやり方に戻せ」と指示していた
安倍元総理が民主党政権下での尖閣諸島の警戒警備方針をやめさせ、本来の警戒警備に戻すよう指示していたことを産経新聞が報じた。
安倍晋三元首相が銃撃されたとの一報が入った時、大臣室で当時の岸信夫防衛相と打ち合わせを行っていた。「テレビ、付けて」と急いで指示すると信じ難いニュースに言葉を失った。
第2次安倍政権で首相秘書官として6年半余り安倍元首相に仕え、5回の国政選挙で街頭演説に同行し、非常に厳格な警備を見てきた。市街地なら救急搬送も速いし、今は医療も発達している。大丈夫、一命は取り留める。そう信じていただけに死去の知らせは何重もの意味でショックだった。振り返ってみても、いまだに言葉にならない。
日本を守り抜くという強い決意を持った人だった。第2次安倍政権発足直後の平成25年1月、防衛省幹部を首相官邸に呼び、前政権での尖閣諸島(沖縄県石垣市)の警戒警備状況について報告を受けた。安倍元首相は「それは通常のやり方なのか」と問い、「違います」と聞くや、間髪を入れずに「直ちに本来のやり方に戻せ」と言った。
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このことは2013年3月7日の予算委員会でも取り上げられていた。
○萩生田委員 (略)
昨年九月の尖閣諸島の国有化後、挑発を繰り返す中国海軍の艦船に、一つ目、海自は十五海里、約二十八キロの距離を置いて近づかないようにというふうに求められた。二つ目、他国軍の艦船の領海侵犯に備えるためには先回りして領海内で待ち構えるのが常套手段なんですが、それも自制をせよ、こう言われた。そして三つ目、海洋監視船はヘリを搭載可能で、ヘリが飛び立てば即領空侵犯になるので空自のスクランブルの必要性がある、こういう議論をしていたんだけれども、当時の岡田副総理は、軽微な領海侵犯だから中国を刺激するな、海上保安庁に任せればいいと準備を認めなかったという記述であります。
先日、レーダー照射の事案で、民主党の委員は、政府の対応を遅いと断じ、中国海軍の解説までしていただき、問題意識をもっと高く持つようにと促しておりましたけれども、もしこの記事が事実とすれば、民主党政権時代の間違ったメッセージがもたらした当然の結果と言えます。
政府は、本件について事実を確認しているのでしょうか。また、安倍内閣にかわり、これらの対応は具体的にどのように変わったのか。お尋ねいたします。○安倍内閣総理大臣 尖閣諸島周辺海域において中国公船による領海侵入が繰り返されている等、我が国を取り巻く情勢は厳しさを増しています。
(略)
そして、今委員が御指摘になられたこの警戒警備の状況については、前政権のこととはいえ、我が方の手のうちにかかわることでございますので、詳細について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、あえて一言申し上げさせていただければ、前政権下においては、過度にあつれきを恐れる余り、我が国の領土、領海、領空を侵す行為に対し当然行うべき警戒警備についても、その手法に極度の縛りがかけられていたというふうに私は承知をしております。
このことは、相手方に対して誤ったメッセージを送ることにもなり、かえって不測の事態を招く結果になることすらある、私はそう判断をしたわけでございまして、安倍内閣を発足させた直後から、この危機的な状況を突破するために、前政権の方針を根本から見直しを行いました。そして、冷静かつ毅然とした対応を行う方針を示したところでございます。
今後とも、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くという決意のもとに、引き続きしっかりと警備、警戒を行っていく考えであります。○萩生田委員 いたずらに緊張を高めることを望んでいるわけではありません。我が国が毅然とした安全保障の姿勢を示し続けるということが必要だと思いますので、ぜひ総理にはそのことをお願いしたいと思います。
民主党政権下での警戒警備状況を継続していたら、尖閣諸島は現在中国に有利な状況になっていただろう。もしかしたらとっくに中国に占領されていたかもしれない。