菅前総理が官房長官時に推進した「既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針」のおかげで台風14号の被害がこれまでに比べて少なく
各地で記録的な大雨を記録した台風14号。だが、福岡県や熊本県などでは被害が少なかったと報じられた。
その理由に、これまでにないダムの事前放流を行い、洪水に備えていたことが影響したと報じられた。
台風14号による洪水に備え、過去最大となる全国100のダムで事前放流を行ったと国土交通省が発表しました。
国交省によりますと、台風14号の影響で今後、川の増水が見込まれることを受け、ダムの水位を下げて洪水に備えるために18日午前8時時点で全国の100のダムで事前放流を行いました。
これは過去最大だということです。
斉藤鉄夫国交大臣は「今後も速やかに事前放流に対応できるよう、体制を確保したい」としています。
これについては、菅義偉前総理が「多大な被害をもたらした令和元年台風を教訓に、電力用は経産省、農業用は農水省など、縦割りのために洪水調整に使われていなかったダムを、国交省に一元化して、洪水対策に使えるダムの容量を2倍に増やし、事前放流の運用を大きく改善しました」とツイッターで説明していた。
この度の台風14号は、各地で記録的な大雨を記録しましたが、過去の類似の豪雨災害と比べて、被害は相当小さく抑えられています。
過去最大となる123のダムでの事前放流などが効果を上げたものと考えられます。— 菅 義偉 (@sugawitter) September 21, 2022
官房長官の時に、多大な被害をもたらした令和元年台風を教訓に、電力用は経産省、農業用は農水省など、縦割りのために洪水調整に使われていなかったダムを、国交省に一元化して、洪水対策に使えるダムの容量を2倍に増やし、事前放流の運用を大きく改善しました。
— 菅 義偉 (@sugawitter) September 21, 2022
また、今年から線状降水帯の発生予報が出るようになりましたが、予算や人員を充実させて気象予測精度を上げているところです。他にも洪水時の水位を低下させる河道掘削や河川内の樹木伐採など様々な対策を進め、被害の最小化に努めてまいります。
— 菅 義偉 (@sugawitter) September 21, 2022
菅前総理は官房長官の時に官邸に「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」を設置し、既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議を推進した。そして、令和元年12月に「既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針」が示された。
当時、菅前総理は次のように語っていた。
「昨年10月の台風19号による大雨で、多摩川や荒川の濁流を見た時、もし堤防が決壊したら大変なことになってしまう、多くの国民への多大な被害と経済への深刻な影響から日本の株式市場も急落しかねないと強い危機感を抱きました」
「この時は関東各地に整備されたダムや調節池などがフル稼働して大規模浸水をなんとか食い止めたわけですが、台風が通過した翌日には『来年の出水期までに政府としてできることは何でもやろう』と関係省庁に検討を指示しました」
「もっとも、今からダムを建設しようにも巨額の費用や時間を要することになり、迅速な対策の観点からは選択肢になり得ません。すると、治水を担う国土交通省の河川担当の局長が私のところにやってきてこう説明したのです。『実は全国で稼働する1470カ所のダムには水力発電や農業などに利用する利水ダム(約900カ所)と、治水目的も含む多目的ダム(約570カ所)があります。国交省所管の多目的ダムだけでなくこんなにある利水ダムも洪水対策で調整できるようになればいいと思うのですが……』」
中略
「国として激甚化する水害などへの対応は引き続き着実に進め、国や行政と住民との間の信頼関係を深められるよう、さらに努力していくつもりです」
治水の重要さを感じていたからこそ推進してきたのだろう。
もっとも、被害が少なかった理由はこれだけでなく、各自治体も緊張感をもって的確な対応をしたからだろう。