ロシア「ウクライナがNATOに加盟すれば第3次世界大戦を引き起こす」
ロシアがウクライナの4州を一方的に併合し、それに対抗する形でウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟を申請する方針を表明した。すると、もともとウクライナをNATOの緩衝地帯として重視しているため加盟させたくなかったロシアは、ウクライナがNATOに加盟すれば第3次世界大戦を引き起こすとけん制してきた。
ロシア連邦安全保障会議のアレクサンドル・ベネディクトフ副書記は13日、国営タス通信とのインタビューで、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟が第3次世界大戦を引き起こすと述べた。
「ウクライナはこのような措置が間違いなく第3次世界大戦に至ることを意味すると十分認識している」と指摘。また、ウクライナ支援により西側諸国は「紛争の直接の当事者」になっているとするロシアの見解を繰り返した。
NATO諸国はウクライナの加盟が「自殺行為」であることを理解しているとし、同国の加盟申請はプロパガンダと受け止めていると述べた。
またNATOはロシアに対し予防的攻撃をすべきとのゼレンスキー・ウクライナ大統領の主張は危険だとし、核戦争は世界に破滅的な結果をもたらすと警告した。
「核戦争はロシアや西側諸国だけでなく、地球上の全ての国に影響を与えることを忘れてはならない。その結果は全人類にとって悲惨なものになる」と語った。
NATOは「(加盟への)門戸は開かれている」としているが、ウクライナの加盟には慎重だ。「将来的な加盟を支持する」としていながらも即時の加盟が困難なのは、現在紛争が起こっているからだ。ロシアが指摘しているようにNATOの原則は集団防衛であり、「紛争の直接の当事者」であってはならない。現状でウクライナを加盟させればロシアとNATOの直接衝突の可能性も大きくなり、紛争が拡大することも考えられる。それこそ第3次世界大戦の危険性もはらんでいる。ゼレンスキー大統領はNATOを巻き込みたい考えもあるのかもしれないが、とはいえ、ウクライナにとっては安全保障上、これ以上ロシアの横暴から国を守るためにはどうしても加盟したいはずだ。
また、ロシアは核兵器の使用を示唆しているが、アメリカもバイデン大統領が「もしもロシアが核兵器を使えば、アメリカ合衆国は「強力に対応」する」と述べている。核兵器使用や第3次世界大戦に突入すれば、ロシアもただでは済まないのは理解しているはずだが、プーチン大統領に正常な思考が働いていればの話だが。
「核戦争はロシアや西側諸国だけでなく、地球上の全ての国に影響を与えることを忘れてはならない。その結果は全人類にとって悲惨なものになる」が、威圧なのか、やけくそになっているのか。どちらにしても、ロシアが最悪の選択をすれば、極東にも戦火が広がる可能性があり、日本が巻き込まれることも考えられる。政府はいつでも最悪の事態を想定して備えるべきだ。