習主席「(尖閣諸島や南シナ海の権益確保は)われわれの世代の歴史的重責」。防衛力増強し備えなければならないのだが、議員連盟「立憲フォーラム」が防衛費の増額について「軍事大国となりかねない」と警戒。そんなこと言ってる場合ではないのでは?
中国の習近平国家主席が、2016年に、軍幹部の非公開会議で、尖閣諸島や南シナ海の権益確保は「われわれの世代の歴史的重責」だと述べていたことを共同通信が伝えた。
尖閣諸島や南シナ海を手中に収めるため、中国が武力侵行を行う可能性がますます高まった。
中国の習近平国家主席が2016年に開かれた軍幹部の非公開会議で、沖縄県・尖閣諸島や南シナ海の権益確保は「われわれの世代の歴史的重責」だと述べ、自身の最重要任務と位置付けていたことが29日、内部文献で分かった。南シナ海の軍事拠点化を指示するかのような発言もあった。
発言の約3カ月半後に中国の軍艦が初めて尖閣周辺の接続水域に進入。以降、軍事的圧力を含めて強硬姿勢を鮮明にしており、習氏の発言が背景にあったのは確実だ。習指導部は異例の長期政権に突入したことで、悲願の台湾統一と合わせ、尖閣実効支配への動きを加速させる構えとみられる。
共同通信は「発言の約3カ月半後に中国の軍艦が初めて尖閣周辺の接続水域に進入」と報じているが、補足すると、2008年12月8日、中国公船(中国政府に所属する船舶)2隻が尖閣諸島周辺の我が国領海内に初めて侵入。中国公船が尖閣諸島周辺の接続水域にほぼ毎日のように入域するようになったのが2012年からで、2015年には機関砲を搭載した中国公船による接続水域への入域が確認され、領海侵入も発生している。そして、2016年の軍幹部の非公開会議で習主席は「(尖閣諸島や南シナ海の権益確保は)われわれの世代の歴史的重責」だと述べ、2016年6月9日に、中国海軍艦艇の尖閣諸島接続水域入域が確認された。
日本は有事に備え万全の態勢を整えなければならない。そのためには防衛費増額は不可欠だ。政府は尖閣諸島の公務員常駐も判断してもらいたい。
そんな中、超党派の議員連盟「立憲フォーラム」が、岸田政権が目指す防衛費の増額について「軍事大国となりかねない」と警戒を強めていることが報じられた。
2013年に当時の民主党や社民党などの有志の国会議員が発足させた超党派の議員連盟「立憲フォーラム」は、新型コロナの影響で停滞していた活動を今月再開しました。
議員連盟の顧問には立憲民主党の枝野 前代表が新たに就任し、これまでに70人近くが参加を表明しているということです。
議員連盟は、岸田政権が目指す防衛費の増額について「軍事大国となりかねない」と警戒を強めているほか、性急な憲法改正には慎重な姿勢を打ち出していて、野党内にも、防衛力強化や憲法改正に前向きな主張がある中、こうした勢力をけん制し、存在感をアピールしたい考えです。
議員連盟の代表を務める立憲民主党の近藤昭一氏は「立憲主義を守り、平和主義にのっとって政治を行うための核として再スタートしたい」としています。
尖閣を狙う軍事大国の中国や、同じく極東の戦力配備を増強しつつあるロシアや、バンバンミサイルを打っている北朝鮮にに対応するためにはそれなりの防衛力を保有する必要がある。「軍事大国」というワードで、悪い印象を植え付けたいようだが、現在の日本の安全保障環境を考えても、軍事大国にならざるを得ない状況と言えるのではないだろうか。ただし日本は仮に軍事大国となったとしても、専守防衛という縛りがある。敵国が手を出さないもしくは攻撃する姿勢を見せない限りは日本がその力を発揮することはない。力による一方的な現状変更を行う軍事大国とはそこが大きく違うことを忘れてはならない。いわば防衛大国だ。
また、反撃能力を巡っては、公明党の北側一雄副代表が「対中国を想定しておらず、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮を念頭に置いたものだ」と語っていたが、中国こそターゲットにしなければならないのが今回の報道で明らかとなった。
平和主義で国が守られればそれに越したことはないが、あらゆる事態を想定し、それに対応するのが政治ではないだろうか。私は必要に迫られているのなら、日本が軍事大国になるのはやむを得ないと思っている。その力を背景に平和的外交を行っていけば効果はさらに大きいと思っている。力が伴わない平和的発信が無力であることを、ロシアの武力侵攻で学んでもらいたい。