川勝知事がリニア試乗。説明受け、部分開業について「できないと分かった」
水問題を巡り、静岡工区のリニア工事の着工に抵抗している静岡県の川勝平太知事が、リニア中央新幹線に試乗し、「素晴らしい日本の技術。なんとか生かさないといけない」と感想を述べた。(参考)
川勝知事は8月には、静岡工区の水問題が解決するまで山梨ー神奈川間の部分開業を提案していたが、JR東海の金子慎社長は「相模原と甲府間は部分的に先に開業することは考えていない」と述べ、リニア期成同盟会会長を務める愛知県の大村秀章知事も「部分開業というのは、実質上ありえないということだと思います」と述べていた。しかし、今回の試乗で川勝知事は金子社長の説明を受け、部分開業について「できないと分かった」と持論を撤回した。
静岡県の川勝知事は2日 山梨県でリニアの実験線に試乗し、最新の技術を高く評価しました。一方で持論としていた神奈川~山梨間の先行開業について、変電所が足りないため困難との見方を示しました。
知事が試乗したのはJR東海がリニア開業を見据え、走行試験を重ねている総延長42.8kmの「山梨リニア実験線」です。
JR東海の金子慎 社長から「リニアは技術的には完成し、新しい時代をひらく」などと説明を受けた知事は時速500kmの世界を体感し、その技術を高く評価しました。
JR東海・金子慎 社長 「(実験線が)42.8kmになったので、時速500kmの時間が長くなりました」
川勝知事 「いやぜんぜんもうあれですね、普通にこう動けますね。たいしたもんだ」
一方で持論としていた神奈川~山梨間の先行開業について、列車に電力を供給する変電所ができていないためこれまでの主張から一転、「困難である」との見方を示しました。
川勝知事 「甲府~神奈川の間もあと29kmだから。これだけ延伸してコントロールセンターで制御できれば最短で営業できるかと思ったんですが、変電所ができていないので。それができないということがわかったのが、大きな発見でした」
その上で知事はJRが目指す、東京・名古屋間の開業に理解を示すのか問われると「そういうことも言える」と述べました。
ただ、川勝知事は部分開業ができないということを認めただけで、これが静岡工区の着工に繋がるかどうかは不明だ。東京・名古屋間の開業に理解を示すのか問われると「そういうことも言える」と、含みを持たせているような言い方も気になるところだ。