武蔵野市の松下市長、シンポジウムで「住民投票条例を定めたい」と再提出する意向を表明
東京都武蔵野市の松下玲子市長は、「住民投票条例案」を諦めていなかった。
「武蔵野市住民投票条例案」は、昨年12月21日に、市議会本会議で否決され廃案となったのだが、松下市長は引き続き制定を目指すとしていた。そして、3日、武蔵野市内で開かれたシンポジウムで、松下市長は「住民投票条例を定めたい」と訴えた。
東京都武蔵野市の松下玲子市長は3日、市内で開かれたシンポジウムで「住民投票条例を定めたい」と述べ、令和3年12月に市議会本会議で否決された同条例案について、再提出する意向を表明した。提出時期は明言しなかった。今年2月の記者会見では「論点を整理して検討する」として、再提出を当面見送る考えを示していた。
市が昨年提出した条例案は日本人と外国人を区別せずに投票権を認める内容で、外国人には留学生や技能実習生らも含まれていた。この点について、実質的な外国人参政権を容認するとの慎重論や、市民への周知不足の懸念が噴出。さらに、条例案の根拠となる自治基本条例の原案を作った懇談会が設置根拠となる条例を欠き、地方自治法に抵触する可能性を指摘する声などが上がっていた。
これに対し、松下氏は「外国籍住民の排除に合理的な理由はない」などと主張。懇談会の法的位置づけについても、設置条例は不要で自治法に違反しないなどとする見解を市のホームページで公表している。
前回の条例案で問題となった点は「年齢は18歳以上」「日本国籍を有する者または定住外国人」「3か月以上武蔵野市の住民基本台帳に記録されている者」に投票権が与えられるということで、「参政権にもつながりかねない」と保守派が猛反発した。市議会公明党の落合勝利代表は、「3カ月前に日本に来て、言葉もよく分からない人が市の課題に意見を表明できるのか」「永住外国人や在留資格を3年以上持っている人なら考慮の余地はあるが、日本人と同じ条件にするのは乱暴だ」と指摘していた。また、周知不足も問題視されていた。
2月には「論点を整理して検討する」としていたが、どのような内容になるか見ものだ。