ルビーロマン流出めぐり、韓国「日本側の管理が行き届いていなかったためだろう」「中国から買っている。中国に抗議すべき問題」
日本が長い年月を経て開発した農産物の種子や苗が海外に無断で流出し、日本の農家は大ダメージを受けている。主に中国と韓国に流出し、日本産よりも安い価格で販売されている。
当然、日本としては中国と韓国を批判しているのだが、韓国は「中国から苗木を買っている」「日本側の管理が行き届いていなかったためだろう。中国に抗議すべき問題なのに、日本が韓国をやり玉に挙げている」と、逆に批判する日本を批判した。
「韓国が世界で最も高いブドウ、ルビーロマンの苗木を盗んだ?」
「世界で最も高いブドウ」として知られるルビーロマンをめぐり、「品種流出」議論が起きている。 ルビーロマンは日本で開発されたブドウの品種で、日本の競売では一房当たり最高150万円もの値が付いたこともあった。では、韓国でルビーロマンを栽培・販売するのは違法なのだろうか。答えは「いいえ」だ。
9日、国立種子院などによると、現在、国内でルビーロマンを栽培・販売することは「法的には」問題がない。日本側はルビーロマンの苗木が韓国に無断流出されたと主張しているが、国立種子院は「日本側が韓国で『品種保護登録』をせず、保護登録可能期間(6年)が過ぎたため、法的には誰でも栽培・販売できる」と説明した。
「植物の新品種の保護に関する国際条約 (UPOV、ユポフ)」によると、新品種の開発者が品種の保護を受けるためには国別に品種保護登録をしなければならない。品種保護対象に登録された品種は無断栽培が禁止される。登録期間は、当該種苗(苗木)が農家に譲渡(商業的利用)された日から6年まで。その期間内に品種保護登録すれば排他的権利が認められ、栽培者に品種の使用料を求めることができる。
日本の石川県は1995年から14年間にわたる研究の末、ルビーロマンを開発し、2007年から農家に苗木を譲渡し始めたという。
国立種子院の関係者は本紙に「国内では2020年11月に初めてルビーロマンの生産・販売届が出されたが、この時はすでに品種保護登録期間が終わっていたため、認めない理由がなかった」とし、「国内開発品種の品種保護登録可能期間は1年、国外品種は6年」だと説明した。現在、韓国国内でルビーロマンの生産・販売届を出したのは27カ所だ。
国立種子院側は今回ルビーロマンの品種流出が問題になっていることについて「自国品種の流出が増えたことを受け、これに対する権利を強化するため、日本が持ち出したイシュー」だと推測した。現在、国内で栽培しているルビーロマン苗木のほとんどは中国から持ち込まれたものとみられる。
国内のルビーロマン栽培農家は納得がいかないという反応だ。忠清北道でルビーロマンを栽培しているLさんは、本紙との電話インタビューで「突然日本から苗木を盗んだ人扱いされて呆気に取られている」とし、「国家機関の国立種子院に合法的に生産・販売届を出したもの」だと悔しさをにじませた。Lさんは2018年、中国からルビーロマンの苗木を持ち込み、2021年から本格的に生産を始め、デパートなどに納品している。Lさんは「もし保護期間(6年)が過ぎていない状態で苗木が無断流出されたなら、日本側の管理が行き届いていなかったためだろう。中国に抗議すべき問題なのに、日本が韓国をやり玉に挙げている」と語った。
日本側もこうした問題を意識し、韓国をはじめ各国で「商標出願」を急いでいる。商標が登録されれば、韓国の栽培農家が「ルビーロマン」商標を使うためには商標使用料(ロイヤルティー)を支払わなければならないものとみられる。この場合も、栽培や他の商標での販売は認められる。特許審判院は8月、全羅南道のある事業者が2019年9月に登録し保有していた「ルビーロマン」の商標権を無効にしたが、これは日本ではなく、国内で特定の人がルビーロマンに対する商標権を独占的に持つことに不満を持った他の種苗会社が審判を請求したことによるものだという。
盗人猛々しいと言いと、腹正しい思いだが、これに関して言えば明らかに日本側の落ち度だ。長年に渡り種子や苗を守ろうと働きもせず、放置してきた結果だ。日本が甘いというしかない。こういってる今でも、日本の農産物は虎視眈々と狙われている。
もっとも、シャインマスカットも今では品質劣化が著しく、味は日本のシャインマスカットに遠く及ばないという話も聞く。おそらくルビーロマンもそうなるだろう。だがらといってほっておいていい話ではない。政府は猛省して真剣に日本の農産物を保護するよう取り組むことだ。