岸田総理が東南アジア歴訪を終え帰国。東アジアサミットで存在感示すも、話にならなかった中韓との首脳会談
岸田総理が東南アジア歴訪を終え19日深夜に帰国した。東アジアサミットでは「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想に言及し、中国が参加する中、中国について、沖縄県の尖閣諸島周辺など、東シナ海で日本の主権を侵害する活動を継続・強化しているなどと名指しで批判したほか、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、力による一方的な現状変更の試みは世界中のどこであっても認められず、核兵器による威嚇や使用は人類に対する敵対行為だとして、国際社会全体で明確なメッセージを出す必要があると訴え存在感を示した。
しかし、この歴訪中に行われた中韓との首脳会談では成果が乏しかったと時事通信が伝えた。
岸田文雄首相は19日(日本時間同)、8日間の東南アジア歴訪を終えた。
三つの国際会議や各国首脳との個別会談を精力的にこなした首相は、中国やロシアを念頭に「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化を説き、一定の手応えを得たようだ。一方、中国、韓国それぞれと抱える懸案解決への成果は乏しかった。
「日本を守り、国民の安心を保つ。この使命を推し進める上で、大事な一歩を踏み出す1週間だった」。首相は19日、タイ・バンコクでの内外記者会見で、今回の歴訪の成果を強調。各国首脳との会談についても「主張すべきは主張しながら、協力と信頼を深めることができた」と語った。
自信の理由は、首相の主張に理解を示す声が広がったことだ。首相は13日の東アジアサミットで、対中結集の軸となる「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想に言及。中国の李克強首相も出席していたが、複数の国が南シナ海の航行の自由や国際法に沿った紛争解決を求めて首相に同調したという。初の正式会談を行った韓国の尹錫悦大統領とは、FOIP実現へ連携を確認した。
侵攻するウクライナでの核使用をちらつかせるロシアを巡っては、「核の脅しは受け入れられず使用はあってはならない」と繰り返し強調。15日の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)では、首相発言を引用して核使用に懸念を示す首脳もいた。
一方、懸案に関する中韓との溝は埋まらなかった。中国の習近平国家主席との初の対面会談では、沖縄県・尖閣諸島周辺への領海侵入や台湾周辺への弾道ミサイル発射に「深刻な懸念」を表明。習氏は「適切に管理しなければならない。内政干渉は受け入れない」と取り合わなかった。尹氏との会談では、元徴用工問題について「懸案の早期解決を図る」と確認しただけだった。
韓国については、韓国の目的は首脳会談の目的よりも、3年ぶりに日韓首脳会談が行われたという事実だけが大事で、元徴用工問題については「懸案の早期解決を図ると確認しただけだった。」とあるが、韓国が何の用意もなく手ぶらで来たから仕方ない。日本としては解決済みの問題なので日本から何かを提示することはありえない。
一方、中国については岸田総理は懸念を伝えたが中国は「内政干渉をするな」といつもの取り付く島もない状態。相変わらずの唯我独尊の態度では進展など望めるはずもない。
このような話にならない両国を相手に成果が乏しかったと責めるのは少々酷な話だ。