沖縄電力が規制料金39.3%の値上げを申請。他にも中部電力や東北電力は3割程度の値上げ申請。
沖縄電力が、一般家庭向けを含む規制料金39.3%の値上げを経済産業省に申請した。
沖縄県の標準的な家庭の電気量が月額8847円で、認可されれば3473円増え、1万2320円になるそうだ。
沖縄電力(浦添市)は28日、一般家庭向けを含む規制料金の値上げを経済産業省に申請したと発表した。認可されれば、標準的な家庭の電気料金(月間使用量260キロワット時、現行で月額8847円)は1カ月当たり3473円(39・3%)増え、1万2320円になる。ロシアのウクライナ侵攻や円安の影響で高騰が続いている燃料価格を電気料金に反映させるための措置で、経産省の審査を経て2023年4月からの実施を目指す。
沖縄県には原子力発電がないため、燃料高騰のあおりをもろに受けた結果だが、中部電力や東北電力など他の大手電力会社も3割程度の値上げを申請しているところもある。それでも原発を有していない沖縄電力の値上げ申請は他の大手電力会社と比較しても大きいものになっている。
沖縄電力の抜本的な料金改定による値上げは、第2次石油危機があった1980年以来となる。値上げ幅は、既に経産省に値上げを申請した県外大手電力と比較しても大きいものになっている。
ネット上では「再エネ賦課金を一時的に凍結にできないのか」「企業内で見直す点はないのか」などといった意見もあがっていて、各電力会社の電気代値上げ申請について危機感を持っている世帯も少なくないようだ。
政府は2割程度の値上げ率を想定していたようだが、沖縄電力、中部電力、東北電力の3割越えは政府の想定を超えていた。各電力会社も今回の値上げ申請は背に腹を変えられないというところからきているようだ。大手電力会社10社のうち、2023年3月期を公表している8社すべてが最終赤字を見込んでいるという。
現状では、販売価格を上回るコスト上昇分を電力会社が負担しており、その結果、2023年3月期の業績は、公表している8社すべてが最終赤字を見込んでいる。
各社が過去に規制料金の値上げに踏み切ったのは、1970年代から80年初頭の石油ショック後、2013年から15年の福島第1原子力発電所事故後の2回しかない。
過去二回しか行われていない規制料金の値上げに踏み切るということは相当なことだろう。
3割程度の電気代の値上げで家計が苦しくなるのが今の日本の現状だ。政府は家庭の負担を極力抑えるよう対処することと、何といっても労働者の賃金を上げることで国民を裕福にして、少々の値上げでもビクともしない日本にすることだ。