中国「海外派出所」問題めぐり、自民・護る会「護る会が動くことで、中国の工作活動をやりにくくしたり、そこから抜けることを促したりしていく」
中国の公安当局が在外中国人向けに設けた「海外派出所」について、林芳正外相は29日に、外交ルートを通じて中国政府に懸念を伝えたことが報じられたが、自民党の「日本の尊厳と国益を護る会」も問題の対処について会合を開いた。
自民党の議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」(代表・青山繁晴参院議員)は30日、国会内で会合を開き、中国警察が日本を含む国外に「海外派出所」を展開している問題に対処する方針を決めた。海外派出所の問題にくわしい有識者に実態を聞き、日本政府に対応を促していく。
海外派出所は中国の公安当局が在外中国人向けに設けた組織。スペインの人権団体が9月、反体制派の亡命中国人を監視し、帰国を迫る拠点になっていると報告書で指摘し、閉鎖要求や実態調査に乗り出す国が相次いでいる。報告書によれば、東京・秋葉原にも拠点があるという。
青山氏は会合後、記者団に「中国がその国の主権を犯し、警察活動に類することを行い、中国の独裁政権にとって都合の悪い人を監視し、圧迫を加え、中国本土に事実上強制的に帰してしまうことが起きている」と指摘。また、「日本も例外ではない。護る会が動くことで、中国の工作活動をやりにくくしたり、関与してしまった人が自らを省みて、そこから抜けることを促したりしていく」と述べた。
30日の会合では①日台の関係法などを検討する台湾問題②スパイ防止法③両親が離婚した後も双方の親に親権を認める「共同親権」を考える家族法制─の分科会を設置し、長島昭久、鬼木誠の両衆院議員、衛藤晟一参院議員がそれぞれ座長に就いた。3つの分科会は来年3月末までに提言をまとめる。
中国「海外派出所」 自民・護る会も対応乗り出す https://t.co/bYH819ifIm @Sankei_newsより
中国は福建省華僑団体の名で公安局の海外警察サービスステーションを置き、在外中国人を強制帰国させたり、中国人妻を持つ日本人を脅して不当に情報を得ようとしている。主権侵害であり閉鎖させるべき。— 山田宏 自民党参議院議員(全国比例) (@yamazogaikuzo) November 30, 2022
林外相「仮にわが国の主権を侵害するような活動が行われているということであれば、断じて認められない旨の申し入れを行っている」
林芳正外相は29日の記者会見で、中国警察が日本を含む国外に展開する「海外派出所」について、外交ルートを通じて中国政府に懸念を伝えたことを明らかにした。「仮にわが国の主権を侵害するような活動が行われているということであれば、断じて認められない旨の申し入れを行っている」と述べ、関係省庁とも連携して対応する考えを示した。
中略
日本政府が仮定の事案について「断じて認められない」と牽制(けんせい)したことを明らかにするのは異例。中国司法の出先機関が日本国内で活動を行えば、日本の主権侵害に当たることから、強硬な姿勢を示したとみられる。
仮定の事案でも懸念を表明するの当然だが、それだけでは中国には何の意味もない。右から左へ聞き流すだけだ。
「護る会が動くことで、中国の工作活動をやりにくくしたり、関与してしまった人が自らを省みて、そこから抜けることを促したりしていく」とあるように、具体的な対処をしていかなければ何の変化も起こらない。
護る会に期待したい。