防衛費、歳出削減しても財源1兆円程度不足
政府は6日、防衛費増額で増税に踏み切る場合、本格的な実施は2027年度以降とする方向で調整に入ったという報道があったのだが、新たに、歳出改革や決算剰余金などを活用した上で、不足する分は増税で対応する方針を、自民・公明幹部が確認したという報道があった。
自民、公明両党幹部は7日、政府が今月中旬に予定する国家安全保障戦略など「安保3文書」の改定に関する協議会を開き、防衛力の抜本的な強化に向けた防衛費増額の財源について、歳出改革や決算剰余金などを活用した上で、不足する分は増税で対応する方針を確認した。来年度は増税を行わないことも申し合わせた。不足分に関しては、8日の政府与党会合で政府の方針を聞いた上で、両党の税制調査会で議論を進める。
岸田文雄首相は、来年度以降5年間の防衛力整備に関する総経費として、約43兆円を確保するよう浜田靖一防衛相と鈴木俊一財務相に指示している。
自民の萩生田光一政調会長は協議会後、記者団に「歳出改革、剰余金など国民に直接負担をかけない形でできる限り財源を確保する。それでも足らざる部分があるとすれば税も考えていかなくてはいけない」と説明した。公明の高木陽介政調会長は「物価高で個人や中小企業にしわ寄せが行かないようにする、といった議論が税調で深まってくるだろう」との見通しを示した。
政府が試算したところ、財源が1兆円程度不足するという。NHKは「財源を確保するため、国有資産の売却などによる税金以外の収入を活用する「防衛力強化資金」という新たな枠組みをつくることも検討しています」と報じた。
防衛費の増額をめぐり、岸田総理大臣は5年後の2027年度に防衛費と関連する経費を合わせてGDP=国内総生産の2%に達する予算措置を講じるよう指示していて、今年度のGDPの見通しをもとに計算すると11兆円規模になる見通しです。
防衛費を増額するための財源について政府が検討した結果、5年後には追加の財源としておよそ4兆円が必要で、歳出削減のほか、年度内に使われなかった「剰余金」を活用しても1兆円程度が不足すると試算していることがわかりました。
また、財源を確保するため、国有資産の売却などによる税金以外の収入を活用する「防衛力強化資金」という新たな枠組みをつくることも検討しています。
一方で、読売新聞は「2027年度の時点で年間1兆円程度の税収増を目指す方針」と報じ、「税収が多い基幹3税(法人税、所得税、消費税)のうち、法人税を軸とする案が有力となっている」としている。
岸田首相は防衛力の抜本的強化に必要な財源を確保するため、8日にも増税措置の検討を自民、公明両党に指示する。2027年度の時点で年間1兆円程度の税収増を目指す方針で、段階的な税率引き上げを視野に入れる。増税の開始時期については来年度は見送り、経済情勢などを見極めて決定する。
中略
増額分の財源を巡っては、政府は新たな国民負担を最大限抑えるため、歳出改革や剰余金の活用、国有資産の売却などを進める。それでも27年度以降は、年間1兆円程度は新たな税収で手当てする必要があると見積もっている。
首相は、増税する具体的な税目については、与党の税制調査会の議論に委ねる姿勢だが、税収が多い基幹3税(法人税、所得税、消費税)のうち、法人税を軸とする案が有力となっている。
取りあえずは来年すぐに増税するという話ではないらしい。国防のための1兆円規模の増税ならば、個人的にはやぶさかでないと思っているが、世論がどうとらえるか。
高橋洋一氏は次のようなツイートをしていた。
これは、防衛建設国債や埋蔵金なしというわけで、財務省の勝ちだなあ https://t.co/9qbonnV1il
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) December 7, 2022
増税検討というがもう決まりじゃん。安倍さんの防衛建設国債がどこにも出てこない→ 防衛費財源、首相きょうにも増税検討指示…27年度に年1兆円税収増目指す : 読売新聞オンライン https://t.co/uT8YgzeINN
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) December 7, 2022
防衛建設国債なら問題ないのに。これを検討しないで、増税を検討ですか→防衛費GDP2% 歳出削減しても財源1兆円程度不足 政府試算 | NHK https://t.co/WuUEp9X6Yy
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) December 7, 2022
本当に増税しか道がないのか?検討していただきたい。もし、増税するというのなら、しっかりと国民に説明して理解を求めていかなくてはいけないだろう。