ウクライナ、報復を強化する可能性を示唆「ロシアに安全地帯はなくなるだろう」
ロシアから、インフラ施設などにミサイル攻撃の無差別攻撃を受けているウクライナだが、報復に出る可能性を示唆したという。
ウクライナ政府顧問は、ロシア内陸の空軍基地への無人機(ドローン)攻撃に絡み「ロシアに安全地帯はなくなるだろう」と警告し、ロシアからインフラ施設への攻撃を繰り返し受ける中、遠隔攻撃での報復を強化する可能性を示唆した。7日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が伝えた。
政府顧問は「攻撃は繰り返し行える。距離に制限はなく、近くシベリアを含むあらゆるロシア内部の標的を攻撃できるようになる」と強調した。
ウクライナ側はロシアの空軍基地への攻撃を正式には表明していないが、ポドリャク大統領府長官顧問が関与をにおわせていた。
ロシアではウクライナ国境の防衛を強化。地域ではウクライナ軍が侵入するかもしれないという噂も広がっているという。
ウクライナ軍参謀本部は7日、ロシア国内のウクライナ国境沿いにある地域で、ウクライナ側の攻撃に備えた防御陣地の強化が進んでいるとの分析を公表した。こうした地域の一つである南西部クルスク州では、ウクライナ軍が侵入するかもしれないとのうわさも広がっているという。
注目すべきは、政府顧問が「攻撃は繰り返し行える。距離に制限はなく…」とコメントしたところだ。
欧米諸国から供与された兵器には制限をかけていたが、ロシアの空軍基地などの爆発が、自国開発のドローンで攻撃した可能性も指摘されている。自国開発兵器ならば制限なくロシア国内への攻撃が可能となる。
元陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏は「ウクライナが航続距離1000キロの無人機を持ったということを重視すべきだ」と指摘。また、「(ロシアは)長距離のミサイルが枯渇状態になっているとみられ、仕返しをしようとしてもできないのではないか」とも指摘した。
ウクライナはこれまで、米欧諸国が供与兵器の射程を制限していることなどを背景に、ロシア内陸部への長距離攻撃は行ってこなかった。だが、ロシア軍はウクライナ全土のインフラ施設にミサイル攻撃を続けており、ウクライナが供与兵器ではなく自国開発のドローンで攻撃した可能性もある。
元陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏は「事実として、ウクライナが航続距離1000キロの無人機を持ったということを重視すべきだ。この攻撃がウクライナによるものだとすれば、事態がエスカレーションすることはないと思う。ロシアがエスカレーションさせたいと思ったとしても、長距離のミサイルが枯渇状態になっているとみられ、仕返しをしようとしてもできないのではないか」と指摘する。
引用元 ロシアますます〝大劣勢〟 ウクライナ軍が国産長距離ドローンで攻撃か 「長距離ミサイルが枯渇状態…仕返しをしようとしてもできない」専門家指摘
報復が可能となれば、ウクライナが報復するのは当然の流れだが、ミサイルが枯渇状態で窮地に追い込まれたロシアが終戦に向かうのか、または、核兵器の使用をまたも示唆するのか。
ただ、ウクライナとしては、クリミアを奪還するまで止まりそうもない。