立憲民主党、「反撃能力」保有の政府案を一部容認せず 先制攻撃と誤認されるリスクが大きいことを指摘「(着手段階での)第一撃は撃たないと宣言する必要がある」
立憲民主党は、相手のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の容認を検討していたが、素案がまとまったようだ。反撃能力の保有を一部認めたが、先制攻撃と誤認されるリスクが大きいことから「(着手段階での)第一撃は撃たない」と宣言する必要があるとした。
敵のミサイル発射基地などをたたく「反撃能力」を保有するとした政府の案について、立憲民主党は「先制攻撃」と誤認されるリスクが大きく、容認できないとする考え方の素案をまとめたことがわかりました。
防衛力の抜本的な強化に向けて、政府が改定する、安全保障関連の文書の案では、敵の弾道ミサイル攻撃などに対処するため、発射基地などをたたく「反撃能力」の保有が明記されています。
これに対し、立憲民主党は、党の考え方の素案をまとめ、「反撃能力」について、自衛のためのミサイル能力の向上は排除するものではないとする一方、日本への攻撃の着手の判断は現実的には困難で、先制攻撃と誤認されるリスクが大きいと指摘しています。
その上で、日本から「第一撃は撃たない」と宣言する必要があるとしています。
また、同盟国アメリカなどへの武力攻撃が起きた際に、日本が集団的自衛権として「反撃能力」を行使すべきでないとして、政府の案は容認できないとしています。
日本共産党の小池晃書記局長が、立憲民主党の「反撃能力」容認検討をけん制がしていたが、これについてはどのような反応を示すのだろうか。
賛否はあるとは思うが、これはこれで立憲民主党が具体的な意見を出したということで、評価したいと思う。
浜田靖一防衛相は、6日の記会見で「相手の攻撃の着手をどう見るかについて、難しさも指摘されていますが、政府として、先制攻撃とならないことをどう担保していくお考えかお聞かせください」と問われ、次のように述べている。
着手についてでありますが、我が国が自衛権を行使できるのは、武力攻撃が発生した時点であり、いわゆる先制攻撃を行うことは許されないとの考えに変更はございません。その上で、一般論として申し上げれば、政府は従来から、我が国に対する武力攻撃が発生した場合とは、他国が我が国に対して武力攻撃に着手したときであると解してきていますが、どの時点で武力攻撃の着手があったと見るべきかについては、その時点の国際情勢、相手方の明示された意図、攻撃の手段、態様等によるものであり、個別具体的な状況に即して判断すべきものであります。
引用元 防衛大臣記者会見
相手国から明確な攻撃の意図が伝わってこない限りは行使しないということ。政府は、敵国が攻撃に着手したと察知した後に、他に防衛手段がない場合は攻撃が可能としている。
それにしても、NHKは「立民 「反撃能力」保有の政府案容認せず 考え方の素案まとめる」というタイトルで報じているが、これでは立憲民主党が全否定しているようだ。せめて「政府案一部容認せず」にしてあげたらいいのに。