日本政府のユネスコ提出報告書巡り、韓国政府が遺憾示す
世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を巡り、ユネスコが説明が不十分だと指摘したことに、政府は「誠実に履行している」と説明したうえで「国家総動員法に基づく国民徴用令は全ての日本国民に適用された」とする報告書を提出したのだが、この報告書を巡り、韓国政府が遺憾を示したと報じられた。
どうしても、朝鮮人が不当に扱われていたことにしないと気が済まないらしい。
日本が端島(通称・軍艦島)の炭鉱をはじめ過去の近代産業施設で朝鮮人強制動員労働者に対する差別がなかったなどの内容を盛り込んだ後続措置履行経過報告書をユネスコに提出したことに対し、韓国政府が遺憾を示した。
外交部は13日、イム・スソク外交部報道官名義で出した論評で「世界遺産委員会の度重なる決定と日本が自ら約束した後続措置が忠実に履行されていないことに対して遺憾を表する」と明らかにした。さらに「日本が昨年7月の第44回世界遺産委員会の決定に従い、ユネスコ国際記念物遺跡会議(ICOMOS)共同調査団の報告書の結論を十分に参考にし、日本側が約束した後続措置を忠実に履行することを再度求める」と付け加えた。
イム報道官は同日午後の定例ブリーフィングで、日本に韓国政府の立場を伝えたかという記者団の質問に対し「外交チャンネルを通じても政府の立場を日本側に伝える予定だ」とし、「日本側が自らした約束と世界遺産委員会の決定文を忠実に履行するよう再度求める」と述べた。
ユネスコは2015年7月、軍艦島を含む23の近代産業施設を「明治日本の産業革命遺産」という名前で世界遺産に登録する過程で、日本政府に各施設の「1910年以降の歴史全体」を十分に理解できる「解釈戦略」を設けるよう勧告した。
「歴史全体」とは、軍艦島など近代産業施設に対する日本側の観点だけでなく、朝鮮人強制動員被害者の見解までバランスよく扱わなければならないという意味だ。世界遺産登録当時、日本側も「1940年代、一部の施設で数多くの朝鮮人とその他の国民が本人の意思に反して動員され、過酷な条件で強制的に労役した」と認めながらも、日本側はユネスコ側の勧告事項履行のための措置を全く取らなかった。これに伴い、昨年7月に開かれた第44回ユネスコ世界遺産委員会は、世界遺産登録当時に勧告した後続措置を日本が忠実に履行することを促す決定文を採択し、今月1日までに履行報告書を提出するよう要求していた。
民族問題研究所のキム・ヨンファン対外協力室長は「ユネスコ世界遺産委員会の強力な勧告にもかかわらず、日本側はこれを全く履行せず、履行報告書も形式的な答弁にすぎなかった」とし「日本政府が強制動員の歴史を否定することは、ユネスコが目指す普遍的価値に合致しない」と述べた。
韓国としたら当然の反応だろう。日本の報告書をユネスコが受け入れてしまえば、韓国のこれまでの主張が嘘だったとばれてしまう。もしそうなれば韓国国内への影響も大きい。今騒いでいる元徴用工訴訟への影響も少なくないだろう。必死になるわけだ。
だが、日本政府の調べで、軍艦島では不当な扱いがなかったことが明らかとなり、不当どころか作業員への福利厚生は手厚く、給料面でも厚遇されていたという証言も出ている。もし、差別があったなら日本は誠実に履行しなければいけないのだが、なかったものをあったことにするわけにはいかない。
日本政府は何ら臆することなく正当性を主張すればいい。それでも韓国やユネスコがごちゃごちゃ言うなら、朝鮮人労働者に対して差別があった証拠を提出してもらえばいい。
関係回復と言うが、結局はこんなものだ。これで分かったと思う。歴史認識のずれがある限り、韓国政府とは分かり合えない。本当に関係回復させたいのなら、徹底的に歴史問題について議論するべきだ。