社民・福島党首の今年の漢字「壺」。ウクライナ戦争、円安、安全保障問題、エネルギー問題と数ある中でそれですか?
日本漢字能力検定協会が全国から募集し、最も選んだ人が多かった今年の漢字が「戦」だった。ロシアによるウクライナ侵攻の影響があったとみられる。2位は「安」、3位は「楽」だった。
そんな中、社民党の福島瑞穂党首が選んだ今年の漢字は「壺」だそうだ。理由は言うまでもなく、旧統一教会に関する自民批判だ。
旧統一教会と関係があったとされる議員などは、若者を中心に「壺議員」と揶揄されてきた。そんな若者を取り込もうとする考えだろうか。
■社民党・福島瑞穂党首(発言録)
(日本漢字能力検定協会の今年の漢字が「戦」だったことに対し)今年の漢字は「壺(つぼ)」。(高額な壺などを売りつける霊感商法が社会問題になった)世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題が今年はかつてなく議論になり、日本の政治がゆがめられていたことが明らかになった。
旧統一教会は自民党に影響を与え、お互いに利用しあってきた。とりわけここ10年の自民党政治と旧統一教会の癒着、共鳴関係が徐々に明らかになっている。選択的夫婦別姓、同性婚、LGBTQなど様々な人権政策が日本で進んでこなかったことにも影響しているのではないか。
旧統一教会との関係を断ち切り、もっと基本的人権や個人の尊重を大事にする、そんな政治に転換していくように、今年の漢字一字は「壺」。来年はこれから決別し、違う政治を作るのだという決意を込めている。
ちなみに、岸田文雄総理は「進」を選び、理由について、「歴史を画するようなさまざまな課題に直面し、新しい資本主義や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を受けた被害者救済法の議論もあった。さまざまな課題を一つ一つ進めていく1年だった」と語った。
松野博一官房長官は「安」を選び「物価高騰や新型コロナ(ウイルス)の感染拡大などが国民生活の安定に大きな影響を与え、ロシアによるウクライナ侵略や北朝鮮の度重なるミサイル発射など、わが国を取り巻く安全保障環境も厳しさを増している。政府としては歴史を画する内外の事態の変化に対し、機動的に対策を講じてきた。これからも国民の安全安心を守りぬく覚悟で一つ一つ、政策に丁寧に取り組んでいきたい」と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表も「安」を選んだ。その理由に安倍元総理が亡くなったこと、円安、ウクライナ侵攻や北朝鮮のミサイルや「防衛3文書」改定で安全保障に関心が集まったことを理由に挙げていた。
実は私も「安」かなと思っていた。理由は玉木代表とほぼ同じで、ひとつ加えると、電力ひっ迫を受けての電力の安定供給を求める声だ。政府は電力の安定供給を目指し、原発推進へと舵を切った。大きな出来事だと思う。
言うまでもなく、今年の漢字は、今年1年を振り返って漢字一文字に表すというもので、何に関心が一番高かったかがわかる。
つまり、福島党首は「壺」を選んだということは、今年1年、安全保障や国民の生活よりも旧統一教会関連の問題だけにご執心だったということだ。
本人が選んだことにいちいち苦言は言いたくないが、政党党首がウクライナ戦争、円安、安全保障、エネルギー問題、新型コロナなど、国際問題や国民すべてにかかわる問題よりも、今年一年の漢字すら自民批判に利用したことが残念だ。