中国外相、日米豪との関係改善に意欲。威圧してもけん制しても対中包囲網が緩まないので目先を変えたか?外務省さん騙されないように…
中国の王毅外相が日本との関係について「双方が歴史をかがみとして誠意をもって接し、2国間関係の大きな方向性を戦略的に捉える必要がある」と関係改善に意欲を示したと共同通信が伝えた。
中国の王毅国務委員兼外相は25日、北京で開かれた国際情勢に関するシンポジウムで、今年は日中国交正常化50周年の節目だったと言及し「双方が歴史をかがみとして誠意をもって接し、2国間関係の大きな方向性を戦略的に捉える必要がある」と訴え、関係改善に意欲を示した。
王毅外相は対米関係の関係改善にも意欲を示した。
中国の王毅国務委員兼外相は25日、北京で開かれたシンポジウムで講演し、2022年の中国外交を総括した。
「中米2大国の正しい付き合い方を模索する」と述べ、対米関係改善に意欲を示した。
王氏は、米国による対中包囲網にくぎを刺しつつ、「中国と米国のつながりは切り離すことができない」「競争を繰り広げることに利点はなく、協力を求めることはオプションではなく必須事項だ」と指摘。中国は新型コロナウイルスの感染拡大や経済低迷といった国内問題を抱えており、短期的には米国との必要以上の関係悪化を避けたい考えだ。
ところが、一方で中国は、米国が台湾への武器販売を認めたことに反発して軍事演習を行った。
中国人民解放軍は25日、台湾と米国からの「共謀と挑発」の拡大に対応し、台湾周辺で軍事演習を実施したと発表した。
人民解放軍東部戦区は声明で、「国家主権と領土の一体性を守るために必要なあらゆる措置」を講じると表明した。
中国国防省は、台湾への最大100億ドル(約1兆3300億円)の武器販売を認めた米国防権限法について、中国に対する脅威と内政干渉を強調するものだとして非難した。
人民解放軍当局者は米国に対し、ゼロサム思考を捨て、中国の中核的利益と主要な懸念を尊重するよう求めた。
日本に対しても、中国は尖閣諸島沖の日本の領海に72時間も侵入し滞在した。「国有化以降の最長更新」と時事通信が伝えた。
沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で日本の領海に侵入していた中国海警局の「海警」2隻が25日、領海を出た。
72時間45分にわたり日本漁船に接近するなどしており、領海内に連続で滞在した時間は、7月の64時間17分を上回り、12年の同諸島国有化以降で最長となった。
もはや何がしたいかわからない中国。中国はオーストラリアとの関係改善にも意欲を示している。(参考)そうなると考えられるのは、中国に真の目的は日米豪との関係改善ではなく、対中包囲網を少しでも緩和させたい狙いがあるのだろうと考える。
王毅外相はブリンケン米国務長官と電話会談した際に、対中包囲網に反発しけん制していた。
中国外務省は23日、王毅国務委員兼外相がブリンケン米国務長官と電話会談したと発表した。
この中で王氏は、習近平国家主席とバイデン米大統領が11月にインドネシアで行った会談の成果を評価しつつ、「米国は、協力について話し合いながらナイフで刺すようなまねをすべきでない」「中国の発展への抑圧をやめろ」と、対中包囲網をけん制した。
これは対中包囲網をよほど嫌がっている証左だ。ところが威圧してもけん制してもいっこうに対中包囲網が緩まる気配がないので、中国はやり方を変え、関係改善に乗り出したと推測する。
対中包囲網が解けて、諸外国による台湾への関与を弱めることが中国の狙いだ。
そうなると心配なのが我が国の政府。特に外務省だ。中国が友好的な態度を示したらホイホイと乗ってしまいそうな気がしてならない。そうなれば安倍元総理が長年かけて構築した対中包囲網が崩壊しかねない。ここはそうならないように自民党の外交部会や「護る会」などが注視していってもらいたい。