プーチン大統領「ロシアには全ての当事者と交渉する用意がある」「彼らが交渉を拒否している」
ロシアのプーチン大統領が停戦の意向を示したと産経新聞が伝えた。
どのような形の停戦かがポイントとなるが、記事では「プーチン氏はロシアの要求を認めさせる形での停戦を念頭に置いているとみられ」とあり、ウクライナ東部・南部4州(ドネツク州、ルガンスク州、ザポリージャ州、ヘルソン州)の併合とクリミア半島を現状維持のままの状態で停戦させたい考えのようだ。
また、プーチン大統領は「ロシアには全ての当事者と交渉する用意がある」としたうえで「彼らが交渉を拒否している」と主張したという。
ロシアのプーチン大統領は、25日に放映された国営テレビのインタビューで、ウクライナ侵略に関し、ウクライナや同国を支援する米欧と「結論を妥結する用意ができている」と述べ、停戦への意向を示唆した。プーチン氏は22日にも停戦に言及していた。
ただ、プーチン氏はロシアの要求を認めさせる形での停戦を念頭に置いているとみられ、ウクライナや米国は懐疑的な見方を崩していない。
プーチン氏は、ウクライナとの停戦交渉や、ウクライナ侵攻に先立って北大西洋条約機構(NATO)に提案した相互安全保障体制の確立について「ロシアには全ての当事者と交渉する用意がある」としつつ、「彼らが交渉を拒否している」と主張した。
ウクライナが受け入れるはずもない。
一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領は11月7日、ロシアとの停戦交渉再開の条件に5つの項目を挙げていた。そのなかでゼレンスキー大統領は「われわれは繰り返し交渉を提案してきたが、ロシアはテロ攻撃や砲撃、脅迫で応じてきた」と述べていた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、7日、公開した動画の中で、ロシア側との停戦交渉の再開について「われわれは繰り返し交渉を提案してきたが、ロシアはテロ攻撃や砲撃、脅迫で応じてきた」と述べ、ロシア側を批判しました。
そのうえで、交渉再開の条件として、領土の回復や国連憲章の尊重、戦争によって生じた損害に対する賠償、それに戦争犯罪者の処罰やロシアが二度と侵攻しないことを保証するといった5つの項目を掲げました。
ウクライナとしては、交渉再開に向けては高いハードルがあるとして現時点で応じる用意はないと強調し、ロシア軍への反撃を強めていきたい考えとみられます。
ウクライナが示した交渉条件もロシアが受け入れるとは思えない。交渉条件が両者平行線のままだ。それはそうだろう。双方の条件を見ると落としどころを探すのが難しく、双方とも勝者が要求するものだ。ただ、プーチン大統領の発言を見ると、ロシアは相当厳しい状態なのだろう。ウクライナ東部・南部4州が手に入れば、もうそれでいいといった感じだろう。このあたりで終わらせたいというのがプーチン大統領の本心だろう。しかし、一方のゼレンスキー大統領は米議会で「われわれは絶対に降伏しない」と訴え、議会からは大歓声が上がった。ウクライナは勝利するまでは徹底的に抗戦する構えを崩していない。
ウクライナに勢いがあるうちはロシアの要求など受け入れるはずもない。